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出ると、家から離れた道路に車が止まっており
そこには前川さんが待っていた。
「す、すいません…」
「ううん、いいよ、そんなに謝らなくても
僕が君を誘っただけなんだから」
「はい……」
「それじゃあ…携帯の通話を切ろうか」
「あっはい……す……」とあわてて切る。
「じゃあ、行きましょうか」と助手席側のドアを開け
私はまるでお姫さまにでもなった感じで席に乗った。

「これからどこに行くんですか」
「う~ん秘密」
「秘密?」
「そう…もしかしたらこのまま海に沈めに……」
「えっ」
「う、嘘だよ、そんな人には見えないだろっ」
「………」
「あ、黙らせてしまったね、海にでも見に行こうかと
思ったんだけど……」
「…でも沈めるんでしょ」
「えっ、沈めない沈めない」とハンドルから手を離し
両手をふっている。
「あ、あぶない!!」
「え、あ、これね…ごめんね、大丈夫、僕を信じてよ」
「……わかりました、信じます」
この後、私は彼の外科での病棟の話や手術中での
出来事等で笑えたり、少し恐くなったりしてたら
いつの間にか海岸に着き「着きましたよ」と車を止め
先に降りて助手席側のドアを開け、手を差しのべられ
車から降りる。
「ありがとうございます、前川さんっていつも女性には
優しいんですか」と聞くと
「いいや、いつもは女性にドアを開けてもらっているよ」
「じゃあ何で…」
「……そうだな、一つあげるとしたら君の魅力に
魅かれてしまったのかもしれない」
「えっ」
「それより、海辺の所まで行きませんか」
「あ、はい…(今のって告白!?)と二人は
海辺まで行き、砂の上に座り、海を眺め始める。
「ねぇ」
「はい……(もしかして…)」と心臓の鼓動が速くなってくる
「月が……」
「えっ……」
「月が…海に反射していてすごくきれいだと
思いませんか」
「奇麗に見えません?」
「いやその……こういうロマンチックなムードに
なるの初めてなんで、どうも……」
「そうなんだ、別にロマンチックなムードに
してるつもりはないんだ、ただこの景色を見て
どう思うかなあと思って聞いてみただけなんだ…」
「……そうなんですか、ええとても奇麗だと
思いますよ」
「そうでしょ、たまに一人でこの海に来て
心を和ませてるんですよ」
「そうなんですか…なんか意外ですね」
「そうですか…僕自身は結構、あってると
思ってるんですけど……あ、それと
耳を海に傾けてください」
「えっどうしてですか」
「いいから」といわれ、耳を傾けて海の音を
聴いていると何か今まで辛かった事を
波で流してくれそうな感じにとらわれていた。


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