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カテゴリ: 生き方を学ぶ:本
作家の五木寛之と京セラ創業者の稲盛和夫の対談集。

何のために生きるのか 何のために生きるのか

人間、何かをやり遂げた人、(傍から見たら)目標を達成した人は、人間の奥を見ているような気がします。

対談なので筋書きもなく紹介しづらいのですが、ちょっと気に入った箇所だけピックアップしてご紹介します。


音にはあう音と合わない音があるとプラトンが言っているが、人間でも同じではないか。あう音は響く。こういう実感を大切にしたい。
今情報といわれているのは本来の情報ではないと思う。本当の情報は人間のこころの中の感情をきちっと把握して伝えること。


日常生活の中で、感情的に自分の利己を正当化しようとしたり、自分のエゴを守ろうとする人が増えている。背景には戦後教育がある。道徳や宗教、倫理をあまりにもないがしろにしてきたのではないか。その弊害として、大人になっても人間として最低限守るべき規範を教わらないままに社会に出てしまった。


今の日本には歌がない。
宗教学者の山折氏は韓国の学者からこんなことを言われたそうです。『日本には「夕焼小焼」という童謡があってうらやましい。あの歌の中には仏教の大事な思想が全部含まれている。』



    夕焼小焼で 日が暮れて
    山のお寺の 鐘がなる
    お手々つないで 皆かえろ
    烏と一緒に 帰りましょう

    子供が帰った 後からは
    円い大きな お月さま
    小鳥が夢を 見る頃は
    空にはきらきら 金の星
曲を聴きたい方はこちらをクリックしてください

ココに山川草木悉有仏性の全てが表わされている。あっちに灯りがともって家族が待っているから、さあ、帰ろうというところに仏教の浄土観が出ていると指摘されたそうです。

脱線しますが、「夕焼小焼」と言われて、

    負われて見たのは いつの日か
    山の畑の桑の実を
    小籠に摘んだは まぼろしか
    十五で姐やは 嫁に行き
    お里のたよりも 絶えはてた

    とまっているよ さおの先
をつい歌ってしまうのは、私だけ?まぎらわしいよね
これは赤とんぼって歌でしたね。(作詞者 三木露風 作曲者 山田耕筰)
曲を聴きたい方はこちらをクリックしてください



明治の頃、日本に来た外国の教師は、立ち去る時にこういっています。「非常に残念なことは、日本の皆さんは地面の上に咲いている花だけを一生懸命愛でようとして、土の中の根を無視していることだ。」と。実は西洋文化の花の下には土に隠れた根があることにほとんどの日本人が感心を持たなかったということです。
それが宗教のようです。


ヨットは風が吹かないと動かない。でもひとたび風が吹いてくるば動き出す。この風のことを僕は他力の風と呼んでいる。風があっても帆をおろして休んでいてもヨットは動かない。だから他力の風は絶対に吹くんだと信じて帆を張り、いつでも動くという心構え出なければならない。


ここは独力で何とかしようという気持ちになったとき、後ろから他力が肩を押してくれるんですよ。他力は自分の母なのだ、僕はいつも言っているのです。


何のために生きるのか 何のために生きるのか 著者:五木寛之 /稲盛和夫 出版社:致知出版社 発行年月:2005年11月 本体価格 1,429円 (税込 1,500 円) 
ダ・ヴィンチ2006年2月号掲載
共に昭和7 年生まれの作家と実業家が、それぞれの歴史と経験を踏まえて人生を語り合った書。初対面の瞬間からお互いをソウルメイトとして認識できたという二人の対話は、穏やかさに満ちている。タイトル通り、人生の根源的テーマに迫った、深く味わいのある人生論。(つ)


昭和7年生まれの二人が、「何のために生きるのか」というテーマをめぐり初対面。その瞬間から、理屈ぬきで親しみを感じ合える“ソウルメイト”(魂が引き合う友)として、対話は静かに進んでいった。

いま、年間約3万2千人もの自殺者を生んでいる「豊かな」日本社会。そんな中で、現代日本人が失ってしまったものが何であるかを、貧しく困難だったお二人の青少年時代との対比の中に、あるいは輪廻転生などの仏教思想の中に浮き彫りにしていく。

五木氏は、「いま井戸を掘らなければいけないのは、アフガンの荒野もそうだけれど、日本人の渇ききった“こころ”にこそ井戸を掘り、水分を含んだ“みずみずしいこころ”を取り戻す必要がある」と述べている。
作家・五木寛之として歩んできた道と、その出発点となった凄まじいまでの戦争体験。「他力」という生き方。京セラ創業前夜から今日に至るまでの実業家・稲盛和夫の歩んできた道と、仏道修行のことなど。お互いの飾らぬ言葉で真実が語られている。

稲盛氏は、「運命はこころのありようによって変えられる。こころが呼ばないものは、決して周囲に現象として現れない。それが真理というものではないかと思っています。だから、こころをまず美しく変えていくことが大事なのではないかと思うのです」と述べている。

“自力か他力か、何のために生きるのか”――本書が読者に伝えるメッセージであり、同時に、読者に問いかけているメッセージでもある。


◎ 目 次 ◎(抜粋)
第1章 同時代を歩んだソウルメイトとして
第2章 こころが乾いてしまった日本人
第3章 いま、宗教の力を問い直すとき
第4章 新しい浄土の物語をつくる
第5章 人生の転機から見えてきた「生き方」
 〔稲盛和夫・わが転機を語る〕 こころと運命
    ●ツキのなさに不平ばかり言っていた新入社員のころ
    ●ひたすら研究に没頭し始めてから運命が開けていった
    ●京セラ誕生のいきさつ
 〔五木寛之・私の転機〕 世界が一変した植民地での敗戦
    ●家庭が崩壊、十三歳にして親代わりを務める
    ●原点にあるのは努力が一瞬にして奪い去られる崩壊感覚
    ●いまでも?あのとき?にタイムスリップできる
第6章 ポジティブとネガティブの出合う場所
第7章 他力の風を受けて生きる

共に昭和七年生まれ。十三歳で敗戦。その後、様々な精神的遍歴を踏み越えて一人は作家、一人は実業家に。その二人が長い歳月を経て、ここに出会い“魂の友”として縦横に語り合った「人は何のために生きるのか」。
【目次】
第1章 同時代を歩んだソウルメイトとして/第2章 こころが乾いてしまった日本人/第3章 いま、宗教の力を問い直すとき/第4章 新しい浄土の物語をつくる/第5章 人生の転機から見えてきた「生き方」/第6章 ポジティブとネガティブの出合う場所/第7章 他力の風を受けて生きる



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Last updated  January 28, 2006 05:14:28 PM
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