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2006.07.19
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カテゴリ: カテゴリ未分類
傘

何の変哲もない傘が、新鮮だった

今日は雨。頼まれたゴミ捨てに行こうとしたら、母に「傘使ったら?」と聞かれた。驚いたことに、僕はめがねを外し、そのまま走っていこうとしていたのだ。
これは最近、傘を使ってなかったからだろう。

傘をさした。
紫色のそれはバサリと開き、手の中で風を受け、ほんのりと軽い。
…新鮮だった。
小学生のころあれだけ使っていた傘が、奇妙に新しい。

最近は自転車登校で、傘を使わなかったからだろう。


いつもなら時間にせかされ、スピードゆえに肌に痛い雨が、今日はささやかな涼しさで僕を包む。

脇で蝶がとんだ。くすんだ黄色の、珍しい蝶が。

雨が足元の溝を流れる。その音もまた、新しい。

学校が休みというのもあるのだろうか?手の中の傘は軽かった。

ゴミを捨てて帰るとき、さっきの蝶は、またとんでくれた。

…おかえりなさい。そういうふうに言ったように。

傘を畳んだ途端、いつもと変わらない現実が、僕を包み直した。


…ソファーのうえで呟いた、ただいまの声は親の返事と共に、消えた





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Last updated  2006.07.19 14:54:00
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