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カテゴリ: 読書、本
 この本は薄いからすぐに読めるな、と思ったが、思いのほか長くかかった。

「魔王」ってどんな存在か、誰かな?と思いながら読んだりした。

 安藤、というごく普通の会社員、とはいえ思索好きな一面を持つ男性が
あるパワーを持っていることに気づく。気になる人に自分を同化させ、
気持ちを集中させると、その人物に自分の好きな言葉を話させることができる
のだ。(彼の口癖「考えろ考えろマグガイバー」、この言葉、気に入った。)

 その力を検証し、強くなるにつれ、会社のPCがダウンしたりする。パワーの
せいか?一方、世間は犬養という新進政治家が躍進を始める。物事を言い切る

中国に対する敵対心あらわなところもある。その犬養の独善性に疑問を抱く
安藤。そして、彼の弟、潤也とガールフレンド詩織。

 あまり書くとネタバレになるのですが、詩織の視点、潤也の視点、考え方が
なかなかよい。憲法改正など今の日本の難しい問題を伊坂氏なりに解釈し、
考えた視点もおもしろい。なるほどな~、と思いました。この国の人たちって
最初の変化には大騒ぎするけど、2回目以降は「もう、そのことは話したよね」という感じで流す傾向がある、というようなこと。消費税もそうだったよな~。何より大衆の怖さ、これがね、うまく描かれている。

 伊坂氏の人間観察力、好きです。流されすぎないところがいいなあ。潤也の
仕事として、野鳥の定点観察の仕事が出てくるが、この描写がなんとも一種の
清涼剤。もっとシンプルに物事を考えられたら、もう少し世界が平和に近づくような気がする。

今、人気の作家ということもあり、図書館でもなかなか予約が多いことでしょうが、一度読んでみてはいかがでしょうか。

魔王





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最終更新日  2006.02.28 13:23:11
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