ひなたまさみとひなたぼっこ
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おはようございます花粉症の方たちには辛い季節ですが、吹く風や、芽吹き始めた草花に、春の到来を感じる今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか?さて、今日は久しぶりに絵本の紹介をしたいと思います。先日、息子の柔道の先生(モンゴル人)でモンゴル語についての日記を書きました。そこで、今日紹介するのは、モンゴル民話『スーホの白い馬』です。「馬頭琴」は文字通り馬の頭の形をした楽器ですが、これはその馬頭琴が生まれた由来についての民話です。貧しい羊飼いの少年スーホと白い馬との、悲しいお話。私が小学生のときには載っていませんでしたが、今は多くの3年生の国語の教科書にも載っているようですね。(これを学校で習ったかどうかで、世代がわかるかな?笑)学校の教科書にあった「悲しいお話」で、私の心に強く残っているのは「ごんぎつね」です。それと同じような、強い悲しさや悔しさを感じる作品です。貧しい羊飼いの少年スーホの可愛がっていた白馬が、ある日殺されてしまいます。身体じゅうに矢を射された白馬は大好きなスーホのもとへ帰り、ついにスーホのもとで死んでしまいます。悲しくて、悔しくて、幾晩も眠れないスーホ。あるばん、ようやく眠りかけたスーホは夢を見ました。白馬がこんなことをスーホに言ったのです。「そんなにかなしまないでください。それより、わたしのほねや、かわや、すじやけを使って、がっきを作ってください。そうすれば、わたしはいつまでも、あなたのそばにいられます。あなたを、なぐさめてあげられます」夢からさめたスーホは、夢の中で白馬に教わったとおりに楽器を作りました。そうして「馬頭琴」が出来上がりました。それをひくたびに、スーホは白馬をころされたくやしさや、白馬に乗って、草原をかけまわった楽しさを、思い出しました。そしてスーホは、じぶんのすぐわきに、白馬がいるような気がしました。そんなとき、がっきの音は、ますますうつくしくひびき、聞く人の心をゆりうごかすのでした。少し前に聴いた、坂田明さんのモンゴルのお話と重なります。見渡す限りの草原。羊の命をいただくことへの感謝。人間が、動物たちとともに生きている実感。命の尊さ。亡くなった大切な人や動物を、心の中でいつまでも忘れずにいること。…いかにもモンゴルらしい民話のような気がします。赤羽末吉さんの淡い色彩の絵が、このお話ととてもよく合っていて、せつない気持ちになります。お子さんの国語の教科書に載っていたら、ぜひ読み聞かせをしてあげてください。学校の授業でバラバラに分解して勉強していくときには味わえない感動が、きっと味わえると思います。子どもたちには、あまり悲しい思いはさせたくないものです。でも、こういう絵本としっかり出会っていくことで、子どもたちの心に強さや優しさが育っていくような気がします。ひなたまさみ●スーホの白い馬 (福音館書店) 大塚勇三・再話 赤羽末吉・画
2007年03月06日
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