君は僕の手をそっと暖めてくれた。
僕の濡れた汚い手を温めてくれた。
そう。彼女は嫌な顔もせず手を、
いや、心を温めてくれた。
僕はびっくりした。
久しぶりに手の温かさを感じたから。
そんな事を思い出していると、
彼女が、
「どうしたの?」といわんばかりに、
僕の前に顔をだした。
「なんでもないよ。ちょっと昔の事を思い出してただけ。」
彼女はうなずいて、僕の横に座った。
彼女は知ってるんだろうか?
僕が君に恋をしている事。
またそんな事を考えながら話しているうちに、
夕方になっていた。
今日は朝からご飯も食べずに一緒に話した。
「それじゃあ、また明日ね。」
そう言って、彼女は帰っていった。
次の日の昼。
昨夜は夜更かししていたため、寝過ごしてしまった。
いそいでご飯も食べずに、あの木の下へ行った。
しかし、彼女はいなかった。
僕はいやな予感がした。
昨日が彼女に会った最後の日だった