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2012.10.10
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カテゴリ: 90's
LengTch'e



この作品、私が所有している CD の中で最もおぞましいものであると思います。

以下、不快な表現が頻出するかと思いますので、この項、飛ばしていただいて結構です。

・・・・・・











アルバム・タイトルでもあり、唯一の収録曲たる "Leng Tch'e" とは、「凌遅刑」、もしくは「凌遅処死」と呼ばれる中国古来から清の時代まで行われてきた処刑方法のひとつであって、歴代王朝に叛旗を翻した反乱の首謀者に課せられた最も重い刑とのことです。その処刑方法とは、受刑者を柱等に縛り付けた上で、死に至らせるまで生きたまま四肢を(出来得る限りその死を遅らせ、苦痛をより長く味あわせる為に!)徐々に切り落としていくと言う残酷極まりないものだったそうです。スリーヴの写真は正にその処刑の様子を写し出したものなのです。

村上春樹氏の著作『ねじまき鳥クロニクル』の中に、生きながらにして皮膚を剥ぎ取られる日本軍人のエピソードが出てきますが、あちらは戦時下で、しかも蒙古軍(?)による私刑(リンチ)的な意味合いが見て取れましたが、「凌遅刑」は合法的な刑罰であり、個人ではなく国家と言うシステムがそれを執り行うと意味において、その刑罰の持つ凄惨さと併せて二重のおぞましさを感じさせます。

その「凌遅刑」にインスパイアされた John Zorn が作り上げた作品が、"Leng Tch'e" です。(わずか 30 分程度の楽曲ですが)いつ終わるとも知れない単調な演奏は正にその刑罰の長さを、15 分辺りから突如乱入してくる山塚アイの絶叫ヴォイスは受刑者の苦痛の叫びでしょうか。本当におぞましくも気が滅入る音楽です。聴くたびに総毛立つ思いが過ぎる一方で、なにかしら抗い難いもの(「魅力」とは言えないし、言いたくもないのですが)をも同時に感じるのです。怖いもの見たさ、ならぬ聴きたさ、でしょうか。

【Track Listings】
01. Leng Tch'e





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Last updated  2012.10.10 22:09:36
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