1 曲目からエナジー全開、ハードで金属的ですらある圧倒的な音圧に驚かされました。スネア一発で始まるイントロからダブっぽい処理のエンディングまで、アッと言う間の 4 分弱。デビュー作でのスッカスカの音から突然の変化。冒頭の 3 曲のカッコ良さには抗いがたいものを感じつつも、私の周囲では結構賛否両論であったことを覚えています。なにしろ本国イギリスでは、彼らのテーマ・ソングとでも言うべき "Clash City Rockers" や、初期 Clash を語る上で外す事の出来ない "(White Man) In Hammersmith Palais" などのシングルがリリースされていたにもかかわらず、我が日本ではシングル盤の発売はなし。1st アルバムからまったく音沙汰のない状況であったわけですから、いきなりこんな作品を聴かされた日には戸惑いが先行しても仕方なかったのではないでしょうか。
戸惑いの最たるものは、"Julie's Been Working For The Drug Squad" でフィーチャーされている軽快なピアノや、"Drug-Stabbing Time" におけるサクソフォンの起用等、表面的な音の変化に対するもの。つまりは、純然たるパンク・バンドからオーセンティックなロック・バンドへと「転向」しようとしているのではないか、と言うある種青臭い感情だったような気がします。私も Sex Pistols に始まり、この Clash、Damned、Jam などパンクには夢中になり、当時お決まりの「社会」がどうの「政治」がこうのと小賢しいことをしたり顔で仲間内で議論したりはしましたが、ファンダメンタリスティックな部分は何故か無縁で、本質的には純粋に音楽として楽しんでいたお気軽ファンだったのでした。その性か、後の "London Calling" は勿論のこと、"Sandinista!" も大のお気に入りで、むしろ次々に Clash から離れて行く人たちを不思議にすら思っていたほどでしたが。
先に書いたように "Safe European Home" ~ "English Civil War" ~ "Tommy Gun" の 3 連発は文句なし。Topper Headon のダイナミックなドラムが光ります。その一方で、Mick Jones のちょっと情けない歌声が切なくも物悲しい "Stay Free"、これまでの外に向けて牙を剥く攻撃的な表情から一転、教え諭すような柔らかさを感じさせるラストの "All The Young Punks (New Boots And Contracts)" など、以降の更なる「変化」を予感させる作品も。当時も今も彼らの作品の中では相対的に影が薄いようにも感じるのですが、私的には1st 同様に「傑作」認定なのです。
【Track Listings】 01. Safe European Home 02. English Civil War 03. Tommy Gun 04. Julie's Been Working For The Drug Squad
06. Guns On The Roof 07. Drug-Stabbing Time 08. Stay Free 09. Cheapskates 10. All The Young Punks (New Boots And Contracts)