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オレ、やれるところまでやってみたい。甲子園・・・ あのグランドでプレーしたい。ある私立高校野球部のセレクションを受けたのは一昨年の夏。各地から集まった同世代の選手達と一緒に、幾つかのメニューをこなし彼なりに参加してみるだけで満足だった。軟式上がりでは、シニアやボーイズリーグで慣らした体格のいい都会の選手達と比べると非力さは否めなかったし、そういう世界で活躍してきた同世代の存在を知っただけでも参加に十分意義があったようだった。「オレ、地元で頑張るよ。」セレクションから帰る車の中で、つぶやいた一言。「甲子園はいいのか?」「・・・」「・・・うん、いい、好きな野球が出来ればいいよ」「いいんだぞ、わがまま言っても。何とかするから心配すんな」「いや、そうじゃないんだ。そう言うんじゃなくて・・・」「そうか・・・」「母さんには黙ってて」「分かった」あれから1年半近く経った。あの時セレクションを受けに来ていた都会の連中と一緒に、寮で寝食を共にしながら辛く厳しい練習を重ね、落としてはならない単位のために勉強もし・・・今を生きている。セレクションから2ヶ月後、監督さんから予想もしていなかった一本の電話が彼の背中を強く押してくれた。「うちで頑張ってみないか」諦めかけていた、たわんだ糸はこの時、「ピン」っと張った瞬間だった。--------------------------------この世に生を受けボクらの長男として元気に育った彼は16歳を迎える前に親から離れ仲間達と一緒に可能性の世界に飛び込んでいった--------------------------------地元にある日帰り温泉の湯船に身を沈め立ち上る湯気を見つめながら静かに目を閉じて離れてはいても、万に一つの可能性に賭ける息子と同じ夢をいつまでも見ていられたら・・・両手ですくった湯を顔に擦りながら『さっ、身体でも洗うか・・・』と小さく呟いた今日の午後。生きるっていいいい本当にいい・・・生きていれば明日が必ず訪れるから可能性が終わることは無いから
January 22, 2011
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