2019.2 . 18 東京新聞
行政監視 国会に調査権限を
統計不正「人事院など機能不全」
荒井達夫: 1954 年生まれ。中央大法学部、信州大経済学部卒。人事院を経て、参院法制局、参院行政監視委員会、憲法審査会の首席調査員などを歴任。 定年退官後、 2015 年に公募採用で千葉経済大特任教授。参院の事務方として、公務員のキャリアシステムや行政監視の在り方に関する実務に取り組んできた。
■本質
― 上雇用保険の支給不足などを招いた統計不正問題をどう見る
か。
「憲法七三条で、法律を誠実に執行する義務を負う内閣が、憲法一五条が定める国民全体の奉仕者であるはずの官僚を統制できていない。不正問題の本質
はこの点にあり、どの内閣でも起こりうる」
― なぜ、不正をする官僚組織を監視できないのか。
「政府内には 人事院 と 会計検査院 、 総務省(行政評価局)に行政監視 システムがあるが、いずれも機能していないからだ」
― 具体的には。
「例えば、人事院には国家公務員法の規定で、公務員の不正について関係書類を提出させたり、勤務先に立ち入ったりできる強力な調査権限かおるが、一度も使われたことがない。統計不正に関しても、 一宮なほみ人事院総裁は 一月の国会で『事実関系を十分に承知しうる立場にある厚労省が適切に対応する』と答弁し調査を否定した。これほどの不正で調査権限を用いず、いつ使うのか」
● 結びつき
― 会計検査院については、森友学園問題での調査に疑問が残った。
「 会計検査院は 実地検査の権限が与えられているのに、国有地の売却価格値下げの根拠となったごみがあるのかどうかを独自に調べなかった。その結果、財務省が提出した決裁文書の改ざんを見抜けず、再調森に追い込まれるという失態を演じた。財務省との関係で本来ある独立性を失ってしまっている」
― 行政監視機能が働かないのは、なぜなのか。
「キャリア組(幹部候補)の官僚がトップの次官を目指す中、 こぼれ落ちる人が天下りをしていくシステムがあるからだ。行政監視を担う組織も、各省庁と結びつく法人への再就職という点て、〈各省庁とつながってしまい 『自分たちも後々面倒をみてもらうから』と 会計検査院も人事院も総務省も独立性を失っている」
― 安倍政権では、森友問題や自衛隊の日報隠蔽など公務員の不祥事が目立つ。
「 安倍政権二〇○一四年に発足させた内閣人事局が省庁の幹部人事を握ったことで、 キャリアを目指す人たちが官邸を向くようになった。 官邸は歴代内閣が禁じてきた集団的自衛権行使 を可能とする憲法解釈変更をし、 憲法を無視した 。 内閣に憲法を守る意欲がないなら、役所も法律を無視し、勝手に動くのは必然だ」
― 行政監視機能を取り戻すには、どうするべきか。
「三つの組織の調査機能を、国会に移すことだ。天下り関係は断たれる。私は、予算の議決で優越する衆院に会計検査院の調査機能を、参院には人事院と総務省行政評価局の機能を移すべきだと考える。そうして超党派により常時、監視すれば、現状よりはるかに良くなる」
引用以上。(人事権のありかと天下り利害が全てを左右するが、ツボを外したシステムになってしまっているってことかな・・・ 否、そのようにした者がいてそうなったことを追及しなければならない・ ・・上滑りをつづける日本人たち・・・)