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2008.01.12
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カテゴリ: 将棋
 昨日 六枚落ち について考えましたが、今日は四枚落ちです。四枚落ちは 連盟ルール によると8~9級差となります。
四枚落ちの考え方はおおまかに言うと2通りあるような気がします。
○二枚落ちの香がない形
○六枚落ちに桂がある形

 は?という感じに思うでしょう。「どっちも同じ四枚落ちじゃん」と言いたくなるでしょうが微妙に違うんですね。
「二枚落ちの~」と考えている人は四枚落ちでも二枚落ち定跡の「二歩突き切り」や「銀多伝」使ってくる事が多い。人によっては端の弱点すら見ない事ありますからね。
一方「六枚落ちに~」と考えている人はやはり端攻め中心で、将棋大観に載っているような棒銀や端への垂れ歩からの攻めが多い。


 四枚落ち定跡の従来定跡(将棋大観に出ているようなもの)は こんな感じ のものでしょうか。やはり居玉から棒銀なりと金攻めなりを狙うわけです。
ただ自分も上手を持った経験上からすると従来定跡でやってくる相手にはそれなりに勝ちます。対局数は六枚落ちほど多くはないですが、入玉したり、成駒作っていくパターンで勝てる事多いかなと。
六枚落ち同様端を突破してからがやはり長いですからね。また上手の桂馬がなかなか油断ならない存在なので、案外桂の動きをうっかりされる事も多いかなと。やはり従来定跡だと下手陣の金銀がまるで働いていない展開が多いのも少々問題だと思っています。また実際に四枚落ち下手を持つのは低・中級位者が多いはず。従来定跡は下手側もあまりミスが許されません。プロやアマ高段者でもミスは普通に出ますから、低・中級位者はミスも多いでしょう。そうすると自陣整備されてない分どこかでひっくり返されてしまう事が多いと思います。


 さてでは少し参考になる棋譜を紹介しましょう。 四枚落ち棋譜 その1
上手を持つのは 灘蓮照九段 。駒落ちを語る上で灘九段をはずすわけにはいかないほどの駒落ち達人のプロ棋士です。
 下手は2筋歩交換の後1、9筋の歩をどんどん進めます。その間上手は玉を囲うと金銀を動かして金銀の動きで勝負するのが上手の常套手段です。下手は9筋でと金、成香を作って早くも成功したように見えますが、元々上手側はこの方面は軽く受け流す感じなので構いません。むしろ大駒を成り込ませない事が重要で、実際大駒のほうを封じに行きます。
上手は桂を手順に跳ね出し、銀を中央に進出させて角をいじめます。千日手になる可能性もありましたが、下手は角を引いて打開します。まあ戦力的に有利なのでというのもあるんでしょうけどね。
49手目の△5七桂成が駒落ち上手らしい好手で、この辺はすでに上手ペースでしょう。普通は不成ですが、それだと金桂交換で終わってしまいますし、桂を攻めに使われるとか、価値の高い金で攻めないといけない、とかデメリットが多くなります。
駒得ではなく成桂を作って下手の大駒、あるいは玉にじわじわプレッシャーをかけるのが正しい指し方でしょう。

 ▲6二歩では▲4八金とするほうがまだマシ(次に▲6八歩で成桂を取りに行く狙い)な感じがします。上手も7筋に歩が利くので簡単ではないですが、そのほうがアヤがありそうです。実戦の順は△5五歩~△7七歩で大駒を押さえられ、銀が中央でいばり、もう一枚の桂まで跳ねだして上手絶好調です。下手は成駒3枚作りましたが全く働いていません。
 さらに進んで82手目▲1三飛成とついに飛車を成り込んで好調に見えますが、角が働いていないのが痛い。上手は玉の懐を広げたあとに△5七桂不成と飛び込みます。今度は先ほどと違って△6七成桂、△7七歩、△6五銀の存在があるので、不成で金を取りにいってつぶしにかかります。そこで▲同歩ですが△同歩成の局面は上手必勝です。ここからだと互角の実力者同士で指しても上手側がほとんど勝つかもしれません。最後は2枚目のと金を玉頭に作って勝負あり。
 上手の絶妙な指し回しも参考になりますが、下手の金銀が結局ほとんど働かず取られるだけの駒になっている点は注目。さらにせっかく作った成駒もまるで働いていません。
成駒が働く前に上手がどんどん圧力をかけたのがさすがで、六枚落ちでもそうですがこういうパターン非常に多いんですね。上手の出だしを止めて成駒の活用を間に合わせるためにも、やはり自陣の手入れ(例えば囲う)は必要だと考えます。

 ではもう一つ、 四枚落ち 棋譜2
下手はまず腰掛け銀にして▲7九玉型左美濃に組みます。上手としては下手の金銀配置を見ると3,4筋方面に玉を置いて入玉も視野に入れたいですが、腰掛け銀にされた以上は右四間飛車の可能性が濃厚。そうするとまともに下手の攻め駒の射程に入る事になるので指しにくいでしょう。
下手▲3七桂に上手は「桂頭に隙あり」と見て動きます。下手は4筋から攻めますが、上手はついに△3六歩と伸ばして一見して成功の形。しかし▲3八飛は冷静で、桂は取られたものの玉型がしっかりしていることや飛角銀が遊んでない事ので下手としてはまだまだ十分やれます。上手の△3四銀の手では他にもありそうですが、△4四銀引に▲同飛が決断の一手。銀二枚取って角を成り込んで早くも寄せが見えてきます。最後は受けのない形になり下手勝ち。
 玉を囲っていた事もあって、少しのミスはすぐに取り返せる形だったのは大きいでしょう。飛車切りの決断も居玉ではやりづらく、また下手が居玉だったら上手は別の嫌がらせをしたかもしれません。

 野球で言えば駒落ちは試合開始前に10点のハンデをもらっている感じです。しかし下手は大抵ミスをします。ミス1つで2,3点、あるいは6,7点失うかもしれません。従来定跡だと最初の10点しかないので、2,3回ミスするともう厳しくなります。
一方棋譜2のほうのように囲っていると最初のハンデ10点に加えて1回表に10点とか20点とか追加している感じになります。そうすると少々ミスして失点しても逃げ切れる可能性は高まります。
従来定跡でなかなか四枚落ちで勝てないな~という人は、 昨日の六枚落ち に書いた○の部分も考えたほうがいいかもしれません。

お勧め棋書
昨日の5冊に
新・駒落革命
これも加えておきましょうか。棋譜2の指し方はおそらくこちらの本を参考にしていると思われるので。





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最終更新日  2008.01.12 19:19:05コメント(0) | コメントを書く


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