株とワインと家庭菜園

株とワインと家庭菜園

2005年12月14日
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カテゴリ: ダイエット・運動
今朝の体重大台-5.1kg(通算-21.1kg)、体脂肪率19.7%
かろうじて-5kg以下をキープ。

本日の運動246回目、サイクリング83分23.5km。
今日は午後から時間があり、天気もそこそこだったので長めに走った。

夜のサイクリング2セット目でトータル114分31.8km。
今夜は月が明るいお陰で走りやすかった。
10月半ばからサイクリングを始めて走行距離が今日で1000kmを越えた。
今夜サイクリングしながら聞いたAMラジオは高校通信講座現代文「 山月記 」(李徴)


「時に、残月、光冷ややかに、白露は地に滋く、樹間を渡る冷風はすでに暁の近きを告げていた。人々はもはや事の奇異を忘れ、粛然として、この詩人の薄倖を嘆じた。李徴の声はふたたび続ける。何故こんな運命になったか判らぬと、先刻は言ったが、しかし、考えようによれば、思い当たることが全然ないでもない。人間であったとき、己は努めて人との交わりを避けた。人々は己を倨傲だ、尊大だと言った。実は、それがほとんど羞恥心に近いものであることを、人々は知らなかった。もちろん、かつての郷党の鬼才といわれた自分に、自尊心がなかったとは言わない。しかし、それは臆病な自尊心とでもいうべきものであった。己は詩によって名を成そうと思いながら、進んで師についたり、求めて詩友と交わって切磋琢磨に努めたりすることをしなかった。かといって、また、己は俗物の間に伍することも潔しとしなかった。ともに、わが臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所為である。己の珠に非ざることを惧れるがゆえに、あえて刻苦して磨こうともせず、また、己の球なるべきを半ば信ずるがゆえに、碌々として瓦に伍することもできなかった。己は次第に世と離れ、人と遠ざかり、憤悶と慙恚とによってますます己の内なる臆病な自尊心を飼い太らせる結果になった。人間は誰でも猛獣使いであり、その猛獣に当たるのが各人の性情だという。己の場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった。虎だったのだ。これが己を損い、妻子を苦しめ、友人を傷つけ、果ては、己の外径をかくのごとく、内心にふさわしいものに変えてしまったのだ。今思えば、まったく、己は、己の有っていた僅かばかりの才能を空費してしまったわけだ。人生は何事を為さぬにはあまりに長いが、何事かを為すにはあまりに短いなどと口先ばかりの警句を弄しながら、事実は、才能の不足を暴露するかもしれないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰とが己のすべてだったのだ。己よりも遥かに乏しい才能でありながら、それを専一に磨いたがために、堂々たる詩家となった者がいくらでもいるのだ。虎と成り果てた今、己はもはや人間としての生活はできない。たとえ、今、己が頭の中で、どんな優れた詩を作ったにしたところで、どういう手段で発表できよう。まして、己の頭の中は日ごとに虎に近づいていく。どうすればいいのだ。己の空費された過去は?己は堪らなくなる。そういう時、己は、向こうの山の頂の巌に上り、空谷に向かって咆ええた。誰かにこの苦しみが分ってもらないかと。しかし、獣どもは己の声を聞いて、ただ、懼れ、ひれ伏すばかり。山も樹も月も露も、一匹の虎が怒り狂って、哮けっているとしか考えない。天に躍り地に伏して嘆いても、誰一人己の気持を分ってくれる者はない。ちょうど、人間だった頃、己の傷つきやすい内心を誰も理解してくれなかったように。己の毛皮の濡れたのは、夜露のためばかりではない。ようやく、四方の暗さが薄らいできた。木の間を伝って、どこからか、暁角が哀しげに響き始めた。もはや、別れを告げねばならぬ。酔わねばならぬ時が、(虎に還らねばならぬ時が)近づいたから、と、李徴の声が言った。だが、お別れする前にもう一つ頼みがある。それはわが妻子のことだ。彼らはいまだ(将のみぎ+虎、かく)略にいる。もとより、己の運命については知るはずがない。君が南から帰ったら、己はすでに死んだと彼らに告げてもらえないだろうか。決して今日のことだけは明かさないで欲しい。厚かましいお願いだが、彼らの孤弱を憐れんで、今後とも道塗に飢凍することのないように計らっていただけるならば、自分にとって、恩倖、これにすぐたるはない。言い終わって、叢中から慟哭の声が聞こえた。袁參もまた涙を泛べ、欣んで李徴の意に副いたい旨を答えた。李徴の声はしかしたちまちまた先刻の自嘲的な調子に戻って、言った。本当は、まず、このことの方を先にお願いすべきだったのだ、己が人間だったなら。飢え凍えようとする妻子の事よりも、己の乏しい詩業のほうを気にかけているような男だから、こんな獣に身を堕すのだ。そうして、附加えて言うことに、袁參が嶺南からの帰途には決してこの途を通らないで欲しい、その時には自分が酔っていて故人を認めずに襲いかかるかもしれないから。また、今別れてから、前方百歩の所にある、あの丘に上ったら、こちらを振りかえって見てもらいたい。自分は今の姿をもう一度お目にかけよう。勇に誇ろうしてではない。わが醜悪な姿を示して、もって、再びここを過ぎて自分に会おうとの気持を君に起こさせないためであると。袁參は叢に向かって、懇ろに別れの言葉を述べ、馬に上った。叢の中からは、また、堪えざるが如き悲泣の声が洩れた。李徴も幾度か叢を振返りながら、涙の中に出発した。一行が丘の上についたとき、彼らは、言われた通りに振返って、先程の林間の草地を眺めた。たちまち、一匹の虎が草の茂みから道の上に躍り出たのを彼らは見た。虎は、すでに白く光を失った月を仰いで、二声三声咆哮したかと思うと、また、元の叢に躍り入って、ふたたびその姿を見なかった。」






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Last updated  2005年12月14日 21時45分08秒
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