ロシア旅行(11)



次は、金銀細工のコーナーへと移って行く。 17世紀の
宮殿生活に、金銀の食器を使う習慣が取り入れられた。
食器はクレムリンの職人によって作られた。 何分、金
に糸目をつけず作ったとあって、素晴らしい作品が数多
く展示されている。 一つ一つ丁寧に撮影したいが、残
念ながら、見学スピードが早過ぎて、目立つ物だけにポ
イントを絞る。

陶磁器類のコーナーも素晴らしい。 1744年に、皇帝
専属磁器窯として開かれた、ロモノーソフ陶磁器ではな
いかと思う。或いは、それ以後のものかも知れない。(説
明文があったがロシア語でよく分からない。) 磁器は当
時、特に高級品であった。 陶器は大昔からあるが、日
本や中国の磁器製作技術がマイセン・ドイツに伝わった
のは18世紀初頭の事である。秘法として、職人を城外か
ら出させなかったというが、意外に早くロシアに伝わって
いる。(因みに、陶器と磁器の簡単な見分け方は、磁器
は光にかざすと、光が透けて見える。 また、縁を軽く叩
くと、チンと澄んだ音がする。つまり、磁器はガラス質を
含んでいる。) 辺境の地ロシアにあって、磁器はいわば、
宮廷生活の中の、最もエリート的な物の一つであった。

人だかりのしているコーナーがあった。 展示物が小さい
ので、よく分からない。 前の人達が移動するまで暫く待
った。

人目を惹きつけているのは、「ПАСХА(パスハ)の卵」
であった。

パスハの卵

 パスハ=イースターなので、イースター・エッグのことで
 ある。 日本ではクリスマスが良く知られているが、西洋
 では、キリスト教で最も重要な行事はクリスマスでなくて、
 『イースター』だといわれている。

 イースターとは、イエスの復活を祝うお祭りのことで、キ
 リスト教最古の儀式である。 「イエスの十字架と復活」
 が信仰の原点なのであろう。 卵は生命の誕生・復活
 を意味し、キリスト教の教えの中でも特に重要視されて
 いる。

パスハの卵の中、特に有名なのは、「パスハの卵とシベリ
ア鉄道モデル」である。

パスハの卵とシベリア鉄道モデル

 19世紀後半の、宝石製造の拠点はモスクワ、ペテルブ
 ルクの大型宝石店に集中した。 それらの店の一つ、
 カール・ファベルジュ社が、1885年皇帝一族から注文
 を受けて製作した。 面白いのは、おまけとしてつけられ
 た、プラチナ製の蒸気機関車のついた、ぜんまい仕掛け
 の金の列車の模型である。 (写真では分かり難いが、
 卵に下に横たわっている、金色の細長い物。)

2F展示場・クレムリン武器庫・モスクワ

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金・銀の器

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追加画像は下記をクリックして下さい

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