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先日、ひさしぶりに パチンコ屋
に行ってきた。
パチンコ屋なんて10年ぶり・・・・・・・いや、もうちょっと前かも。
騒々しい玉の弾かれる音。
ドアの向こうの喧騒とは別世界だ。
なんかすごく懐かしい感じがした。
それと同時に、胸がキュンとなった。
・・・・・あの頃を思い出した。
そういえば、 パチンコ屋
に最後に来たのは、あの人といっしょだったかも知れない。
あの人が目の前から消えてしまったときからパチンコ屋に来ることはなかったかも知れない。
自分から パチンコ屋
の中に思い出を閉じ込めて、そのまま封印していたのかも知れない。
パチンコ屋
は自分にとって パンドラの箱
。
開けたら、思い出の悲しみも、喜びも、みんな一度に溢れだす。
無意識に パチンコ屋
から足が遠のいて、ただ時間だけがどんどん流れていった。
あの日、あの人が去っていくとき、オレは最後のお別れには行かなかった。
もう逢えなくなるのはわかっていたが、素直にお別れできなかった。
ほんのわずかな時間だったけど、いっしょに過ごした楽しかった時間が
ガラガラと目の前で音をたてて崩れ落ちていく。
そんなの耐えられなかった。
きっと逢いに行ったら、オレは泣いちゃったと思う・・・。
男泣きっていうより、子供のようにワンワン泣いてしまったと思う。
「行かないでくれーっ!」
って言って、彼女を困らせたかも知れない。
そんなカッコ悪い自分の姿を見せたくなかった。
だから、お別れには行かなかった。
スネてただけかも知れない。
子供だったな、オレ・・・。
あの頃の記憶が鮮やかに蘇る。
あの人は、オレより 2歳年上
だった。
身長が150cmくらいしかなく、ボブカットで、色白で、どう見ても10代にしか見えない容姿。
活発な人でたくさん趣味があったが、パチンコも好きだった。
そんな幼く見える容姿で、メンソールのタバコを吸いながら、パチンコを打っていた。
オレもよくパチンコに連れて行かれたっけ。
「ねぇーっ!ホンダイス!ココ座んなよ!パチンコ教えてあげる!」
彼女は、いたずらっ子のように笑って手招きした。
「ほら、ボーッとしてないで、右手を固定して!」
「ほら、ちゃんと玉の流れを見て調節するの!」
彼女のパチンコ伝授は、英才教育だった。
今、考えるとなんでこんなに熱心にオレにパチンコを教えていたのだろう?
あれから時間が流れてしまった今となっては謎だ・・・。
「ああ、鈍感だな~ホンダイス!もう玉がなくなりそうじゃん。」
「うわっ!Rさん、ドル箱いっぱいじゃん!」
「エヘヘ、私のパチンコ玉は、魔法の玉なんだ。ほら、これ使ってみなよ!」
ホントは違反なんだろうけど、
彼女は 自分の台の玉
を白くて細い手で掴んでオレの台に流し込んだ。
チョットおせっかいなとこがあるが、世話されていて心地良いオレがいた。
・・・しばらくして当たりだした。
彼女がくれた 魔法の玉
がパワーを発揮した。
「スゲーっ!すごいよ、Rさんのおかげだよ!」
「ねぇホンダイス!楽しい?」
「うん、スゴく楽しいよ、スゴいよ!アハハっ」
そう答えながらRさんの方を見ると、彼女は打つ手を止めてオレの台をのぞき込んでいた。
彼女の顔がすぐ近くにあって ドキドキ
した・・・・・気が散る。集中できない。
彼女は楽しんでいるオレの姿を見て満足そうに微笑んだ。
パチンコをしながらいつも、いろいろな話をした。
「ねぇ!ホンダイスはUFOとか信じる?絶対NASAは宇宙人をかくまってると思うよ」
「京都に私のパワースポットがあるんだ。
そこに行くと、背筋がゾゾゾッてなって、身体にパワーが宿るのがわかるんだ。
聞いてるの?ホンダイス!」
ちょっとオカルトっぽいものも好きな人だった。
「あ!・・・・おっ!・・・・んん~・・・・アラララ・・・ん?」
「なにやってるのRさん!気が散るよ!変な声だしたりして!」
彼女は、パチンコを打つオレの表情に合せて『 アフレコ
』して遊んでいたのだ。
天真爛漫で、チョットお茶目な小悪魔っぽい人だ(笑)
「だってホンダイスって、感情がすぐ顔に出ちゃうんだもん。かわいいじゃんっ!」
「かわいいって・・・大人の男をつかまえて。
・・・じゃあ今、オレなに考えてるか・・・わかる?」
「えっ!?なに考えてるの?なになに?」
「いや、いいよ!教えないよ!絶対、教えられない。」
あの人は、ときどきパチンコを打つ横顔が 寂しそうな顔
をしているときがあった。
そんな横顔を見てると切なくなってくる。
彼女はいつも人前で元気に明るく振る舞っていた。
仕事をしているとき彼女はいつもキラキラ輝いていた。
楽しそう。
なにをやっていても楽しそう。
困難な事もケラケラ笑って、そつなくこなしている。
だから、みんなから好かれていた。
・・・・・でも、影では、すごい努力してたんだよね。
みんなが見てないとこで、ツラい思いもたくさんしていたんだよね・・・。
思わず、細い肩を抱き寄せたくなる・・・。
「アレ?ホンダイスってタバコ吸ってたっけ?」
「ああ、吸ってたよ。」
「さっきからゲホゲホしてるじゃん。
えーっ、ホントは吸えないんじゃないのぉ?」
「吸えるよ!もちろん吸える!昔から吸ってたさ。
歯のウラだってヤニだらけだよ!」
もちろん ウソ だった。
夜の海岸でむせながらタバコを吸う練習をしてきたのだ。
彼女は、オレを 恋愛の対象としてみれない
と言ってた。
彼女の弟とオレが同じ歳だから、 弟分にしかみれない
と言うのだ。
だから、一人前の男として、恋愛の対象としてみてほしくて、
オレは一生懸命に 背伸びしていた
。
彼女の 気を引きたくて
、必死だった。
オレも未熟な少年のようだったな・・・。
今思うと笑ってしまうくらいのたわいない思い出だが、オレが彼女から受けた影響は大きい。
大人として人格形成されるために彼女はたくさんの事を教えてくれた。
あの人と出会ったこと、いっしょに過ごした時間に感謝したい。
・・・尊敬していたし、大好きな人だった。
片思いで実らない恋だったから、あざやかに覚えているのだろうか?
あれから、たくさんの時間が流れてしまったけど、
あの人は元気でやっているんだろうか?
シアワセになっていてほしい・
・・と、心から願う。
仲間と呑んだり、はしゃいだり、好きなとこ行ってフラフラしたり、今の生活みたいに
ひとりぼっちも気楽でいいが、またひさしぶりに恋愛もしてみたい気分になった。
わがままなくらい誰かを愛してみたい。
誰かのために一生懸命に情熱を注いでみたい。
ショートボブの小柄な女の人
がパチンコ台に座っていると
思わず回り込んで横顔をみてしまう今日この頃・・・・・。
B.G.M.『 I Won't Stand In Your Way 』 by Stray Cats
デイドリーム・ビリーバー★ 2011/12/31 コメント(4)
★危険につき取り扱い注意!!!★ 2011/11/17 コメント(2)
★謎解きはディナーをテンコ盛りにしたあと… 2011/11/11 コメント(4)