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2013.07.13
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 過去20年を振り返ると、厳しい時期もあった。バブル崩壊後、徐々に利用客数は減少。2001年度には約51万7000人とバブル期に比べ、半分近い水準にまで落ち込んでいた。日本経済の低迷がこの間長引いたという要因はあるが、「東京観光の定番」と認識されている自らの地位に「あぐらをかいて、経営努力を怠っていた」と社内関係者は言う。

■ 内外要因がうまくかみ合う

 そのどん底から10年余り。復活を遂げた背景には、はとバス内部の経営改革と外部環境の追い風という両輪が、うまくかみ合ったことがある。

 2001年以後、はとバスは経営改革として、首都圏顧客の取り込みや現場サービスの向上、顧客クレームのフィードバックなどに取り組んだ。

 そのうえで、最大の効果を発揮した施策は、パンフレットの改定、観光地の見直し、企画力の強化という、ツアーの徹底した充実にある。実は、はとバスには年間約260種類ものツアー企画がある。定番企画に加えて、季節限定や花火大会、プロ野球観戦などのイベントをセットしたスポット的なツアーなど、バリエーションは幅広い。
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 定番企画の一つは「東京半日Aコース」。東京駅を出発し、皇居→浅草→銀座→霞が関などの有名スポットを、文字どおり半日でめぐる。食事なしで大人5500円の企画だ。ただ、これはあくまで一例。高級ホテルのバイキングや有名料理店のコースなど食事付きのプランやニューハーフショー、工場夜景の見学、屋形船の遊覧などを組み合わせたユニークな内容もあり、価格が1万円を超える企画さえある。

 最近では、都内の有名スポットを1時間程度、大人1500円の手頃な料金設定とする短時間ツアーも拡充している。これらのツアーに花を添えているのが、ガイドの存在。「お客様の快適なバス旅を演出する顔であり、会社の宝として大事にしている」(はとバス広報室)。また、約38%の出資を受け、人材面での交流もある東京都を味方につけていることは、さまざまな恩恵があるだろう。



 こうした経営努力に、外部環境という味方が加わったのが今の復活のもう一つの要因だ。2012年度の躍進を牽引したのは東京の新名所、東京スカイツリーの開業や東京駅駅舎の全面リニューアルなどであり、観光地としての東京が魅力を増していることが“追い風”になっている。はとバスは12年5月のスカイツリー開業に合わせて、スカイツリー展望台入場付ツアーを設定。この年間利用者数は26万人を超え、全体の3割近くを占めるまでになった。

 意外にも首都圏在住の顧客に、このスカイツリー展望台入場付ツアーの人気が高いという声もある。「首都圏にいるんだから、わざわざ、はとバスに乗らなくても…」と、思うかもしれないが、そこには知る人ぞ知るカラクリがある。依然として、入場に長時間の待ちが発生するスカイツリーの展望台。はとバスのツアーなら、「団体入り口」を使ってスムーズに入れるというのだ。

 はとバスの客層は50代以上の主婦層が多く、男女比率で見ると女性が6割以上を占めている。ただ、最近ではスカイツリーの夜景や、セットになっているホテルディナーなどを楽しむ若いカップルも増えてきている。

企画力の話に戻れば、スカイツリー開業は確かに追い風だが、それを最大限に受けられるように人気の多寡を見極めて、ツアーを厳選している側面もある。約260種類という年間のツアー数はここ2~3年で変わっておらず、バスの台数を増やしたワケでもない。

■ 過去の利用者ピークは昭和39年の123万人

 一方で、今の利用者数は、はとバスの1948(昭和23)年からの長い歴史で見れば、ピークには及んでいない。過去最高は1964(昭和39)年度の約123万人。当時は高度経済成長のど真ん中。日本経済が右肩上がりの急成長を遂げていた時期でもあった。

 今後、ピークほどではなくても、年間利用者数100万人という大台を再び取り戻す可能性はある。今年度(2013年度)はスカイツリーブームの持続もあって、出足は前年比2割増のペースで、東京観光の利用者が伸びている。

 ただ、はとバス経営陣は「今年度は100万人までは到達しないのでは」と想定しているようだ。というのも、バスの台数や運転士の人数を大幅に拡充する計画はなく、スカイツリーやホテルバイキングなども入場制限があり、現状以上にツアーを増やすのは物理的に難しいという事情がある。無理せず、地道に。しかし、復調の足取りはしっかりと固めている。





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最終更新日  2013.07.13 08:25:27


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