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彼は《命》に上下の隔たりをつけたくなかったんや。「かわいいから」なんて理由で飼いはじめたとしても、辛い思いをするのは子犬であることが分かってたんや。
人間が上で犬が下! 飼いはじめたら、その隔たりができてしまう。 人間はええわい! やれ仕事だ、やれレジャーだと家をあけることができるやろ。 でも犬はどないやねん! その間ずっと家で待ってなアカンねんぞ!
お前ら『恋愛組』はそんなことには考えも及ばんやろ。自分さえよければええからや。自分が家にいる時間だけ、その「かわいい」存在がいたらええねんやろ。自分が家にいるときだけ、誰かがいてて癒されたらええねんやろ。お前が家にいない時間にその犬がどんな思いをしていても関係ないねんやろ。
彼がなんでそんな考えに至るのかが分かるか? 分からんやろ! 教えといたるわ。
彼もまたいつも上下の隔たりをつけられて生きてきたからや。誰にか? お前ら『恋愛組』にや!
お前らはとにかく外見でしか人を見ん! 外見が全てや。 男やったら男前、女やったら美人、そうでない人間は全て下に位置付けるんや。その言葉の最たるものが「キモイ」や。
彼もまた「キモイ」と言われて、言われ続けて、すぐに【下】に位置づけられて生きてきたんや。わかるわ。俺と同じにおいがするもん!
お前らに【下】に位置付けられてきたからこそ、その悲しさを知っているからこそ、自分以外の誰も自分の【下】に位置づけたくないんや。それがたとえ動物でも、いや、もの言えぬ動物だからこそや。
お前らには分からんやろ!分からんから彼のあのボロボロの泣き顔をみても「キモイ」言うて嘲り笑い飛ばすねんやろ。
どっちが人間として【下】なんか、その恋愛ボケしたクソ頭で考えてみろ!
『日常』に潜む重要性 10 2025.12.18
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