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2020.10.22
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カテゴリ: 随筆
Tの家に遊びに行くと、いつもお母さんが出迎えてくださった。
そして私が家にいるとひっきりなしに何か食べ物を出してくださった。
当時は結構大食いだった私でも「すんません。もうお腹いっぱいです。」と言わざるを得ないほどだった。

そんな私にお母さんはいつも弾けるような笑顔で「ええねん、ええねん。でもゴマ君思わへん? 食べきれんほど食べ物があるって幸せやって! こんな幸せなことあらへんで。ホンマにええ時代になったわ。」そう言いながらもお菓子やらなにやらを口に運んでモグモグとおいしそうに食される方だった。

Tに聞けばお母さんは私の母より5歳年上とのこと。
おそらく戦時中、あるいは戦後に嫌というほど食べ物の苦労をされてのだろう。

そしてそのときTがポケットに入れているかなり大きめのおにぎりの中には、焼きシャケ・焼きたらこ・塩こぶ、梅なんかがこれでもかとふんだんに入れられていることも容易に推測できた。

また父親の顔を知らずに母ひとり子ひとりで、お母さんを大切にして生きてきたTにとって、このおにぎりをバカにされることがどれほど悔しいことかも私には見て取れた。





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最終更新日  2020.10.22 00:16:22
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