The Life Style in The New Millennium

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2004.04.14
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どこにでも居るような初老の夫婦、数夫と和歌子は
大都市近郊の住宅街に住んでいた。この夫婦には
二人の息子がいる。長男の義男は、5年前に結婚して
すぐ近所に住んでいる。義男には子供がいない。
いや、子供は作らないらしいのだ。
「そろそろ孫の顔が見たい」
と義男の顔を見るために言う数夫と和歌子を煙たく思ってか。
最近は、とんと顔を見せなくなってしまった。
次男の宏和は大学生だが、最近、好きな女の子と同棲を

「卒業してから正式に結婚して・・・」
と数夫と和歌子が言うと
「ほっといてくれ」
と宏和も姿を見せなくなってしまった。
こんな夫婦に一大事が起こった。和歌子が倒れたのだ。
いつものように台所に立っていたときに、バタンと
大きな音がした。となりの部屋で新聞を読んでいた数夫が
ビックリして駆け寄り、救急車を呼んだが、和歌子は
その日のうちに帰らぬ人となった。

和歌子の一周忌も終わったゴールデンウイークのある日、数夫は

なって、ますます家に寄りつかなくなってしまった。父親とは
話すこともないのだろう。数夫は、独り身には広すぎる家を
処分することも考えていた。そんな寂しい気持ちを整理する
意味での大掃除でもあった。
そんな数夫にとって前々から気になっていたものがあった。

並べられた・・・浦島太郎・しらゆきひめ・さるかに合戦・
・・・トーマスという機関車の話もある・・・
これは宏和が好きだったなあ・・・これは、オバケのQ太郎か・・
義男は、この手が好きだったんだ・・・そう呟きながら、数夫は
和歌子が毎日毎日、息子たちが寝つく前に童話を読んでいた姿を
思い出していた。
「ああ・・・あれは、小学校3年生くらいまでやってたかなあ。
俺が、会社から帰ってくると・・・シーって和歌子が言うんで
ちょっと覗くと、小さな寝顔の横で、読んでたんだよなあ・・・」
数夫は少し涙ぐみながら、10数年前を思い出していた。
この児童書たちは、近所の公民館の子供図書館に寄付しようと
数夫は決めていた。たぶん、夕方には、ボランティアの人が
取りに来るだろう・・・段ボール箱に一冊一冊移している数夫だった。
そんな感傷に浸っている数夫の耳に・・
久しぶりだ。
二人の息子の声が聞こえてきた。
義男「こんちわ・・・お父さん」
和宏「こんちわ」
数夫「どうしたんだ・・・おまえたち」
義男「いや、旅行行ってきたので土産持ってきた」
和宏「ちょっと、相談あって」
数夫「相談って何だ?和宏」
と数夫が言った時、義男と和宏は懐かしい童話たちに気づいた。
義男「あああ・・・これこれ、Qちゃん・・ああ、パーマン」
和宏「おお・・トーマス・・なつかしいなあ」
義男「なんか、この本たち、お母さんの香りしないか」
和宏「いやあ、声が聞こえるよ・・・お母さんの声が・・・」
義男・和宏「ところで、お父さん、これをどうするの?」
数夫「近所の公民館に寄付しようと思って」
義男「なんか・・・胸騒ぎすると思ったら、このことだったのか。
   これは、お母さんの思い出・・いや、お母さんなんだよ
  どうしても、寄付するなら。俺、全部持って帰るから・・・」
和宏「ちょっと待ってくれ。兄さん。トーマスは、俺もらうよ」
・・・・・
二人の息子は、久しぶりに家族団らんの一時を過ごして帰って行った。
静かになった家の中で、微笑む和歌子の写真を見ながら数夫は
「なあ、おまえが、呼んでくれたのか・・・俺が寂しがってると思って。
ありがとうよ・・・それはそうと、ちょっと困ったことになったんだ。
子供ができたんだ。いや、義男じゃなくて・・・和宏・・・来年、
卒業なのに・・・言いそびれていたらしいんだ。もう7ヶ月だって・・・
女の子・・・なんか、おまえの生まれ変わりのような気がして・・
怒る気にならなかった・・・和宏は彼女と、この家に住むらしいよ。
また、にぎやかになるよ」
・・・・・





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Last updated  2015.08.29 09:26:43
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