DELTA Strange Zone

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2003.08.31
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ミシュラン、タイヤルール変更に反発
 FIAが、これまではレース前に行ってきたフロントタイヤの接地面幅の計測を、次戦イタリアGPからレース後に行いたいとの意向を示したことで、2003年の残り3戦は、混乱に陥る恐れが出てきた。

 FIAは、F1タイヤに関する競技規則の新解釈を採用することを計画しているという。29日(金)にミシュランが発表した声明によると、この新解釈というのは、“これまで新品の状態で計測されていた、フロントタイヤのトレッド幅の定義”について適用されることになるという。FIAは、タイヤが走行に使用された後に、フロントタイヤの接地面の幅を計測することを望んでいるというのだ。
 ミシュランは次のように反応している。ミシュランとしては「このレギュレーション変更について、議論する用意がある」。そして「2004年に施行されるべき、計測の手順を定義するためには協力する」。しかし「(9月14日に行われる)イタリアGPまでにそれを要求するのは、当然ながら現実的ではないと感じている」とのことだ。
 ミシュランからのリリースには、次のように書かれている。
「我々のフロントタイヤの形状は、FIAによるF1レギュレーションに適合しているものと見なされてきた。検査は新品タイヤについて行われてきており、これは第77条c項の解釈と合致する」
「今回要求されている接地面の幅の計測手順は、現在のところ未知のものであり、今後の作業を進めるうえで支障をきたすことになる。この定義には、困難が予想される。なぜなら、タイヤが使用される際には、たとえば縁石のような、様々な“物体”との接触が起こりうるからだ。これらの物体は、その形状と位置によっては、タイヤの側壁の中程にまで達することがあるのだ」
「ミシュランのパートナーは皆、このレギュレーション変更について懸念している。全チームが同じ形状のフロントタイヤを使用しているからだ」
 仮にこのルール変更が実施されることになれば(現段階では、まだ流動的だが)、ウイリアムズやマクラーレンにとっては凶報となるかもしれない。そして、フェラーリとブリヂストン、ミハエル・シューマッハーにとっては、吉報となるかもしれない。



 エキサイティングなF1 2003シーズンに新たな波紋が巻き起こる中、ミシュラン・モータースポーツのディレクター、ピエール・デュパスキエは、失格させられる恐れが出てくるならば、ミシュランを使用するチームがイタリアGPをボイコットすることもありうるとほのめかした。

 このショッキングな発言の背景には、29日に明らかになった事実があった。ミシュランタイヤを使用するチームのいくつかが、ハンガリーGPでタイヤをチェックされた結果、レギュレーションに違反して走行していたと見なされたというのだ。ハンガロリンクで、匿名の者からの抗議を受けて検査が行われ、5チーム(タイトルを争っているウイリアムズとマクラーレンを含む)が、フロントタイヤの接地面が許容範囲を超えていると見なされた。これによって、レギュレーションに合致しないマシンは、モンツァ以降失格とされるだろうと、FIAが警告するに至っていた。
 FIAの技術責任者であるチャーリー・ホワイティングは、次のように述べている。「いくつかのマシンにおいて、特定の状況下では、フロントタイヤの接地面の幅が270mmを超えることもありうることが明らかになっている。新品タイヤを計測すれば、外見上のトレッド幅は、競技規則に定められた最大値を超えないにも関わらずだ」
「定期的、もしくは意図的に路面と接触することになると考えられる、フロントタイヤの部分は、すべてトレッドと見なされる。そしてこれは、規則に定められたタイヤ幅を計測する際に、考慮の対象となるだろう」
 ファン-パブロ・モントーヤとキミ・ライコネンがタイトル争いを有利に進めているのは、ミシュランが進めている開発プログラムのおかげだと考えられており、ミシュランユーザーたちは、当然ながらこの決定に不満を抱いている。そしてデュパスキエによれば、2週間後のモンツァのレースをボイコットすることもありうるという。
 デュパスキエは、英デイリーテレグラフ紙に対して、次のように語った。「ミシュランタイヤを使用する5つのチームが、モンツァに姿を現さないということもありうる。我々のパートナーたちは、失格とならないという保証もないのに、多額の金を費やさねばならないだろう。決断は、チームに委ねられている」
 イタリアGPでレース後に問題とならないようにするためには、ミシュランは現行のタイヤをすべて放棄し、たった2週間でそれに代わるデザインのものを製作しなくてはならないかもしれないのだ。
「期日までに新しいタイヤを作れないことはわかっている。デザインして製作するまでには2、3週間かかるからだ。これはまるで、“モンツァでエンジンを小さくして走れ”と言っているようなもので、時間的に不可能だ。つまり、次のレース後に、タイヤが規定サイズをオーバーしないという保証はない、ということだ」
 ハンガリーでミシュラン勢が圧倒的な強さを見せたことで、コンストラクターズ選手権のリードをウイリアムズに奪われてしまったフェラーリだが、今回の騒動の発端となった告発には関係していないと主張している。フェラーリのタイヤサプライヤーであるブリヂストンも、同様に慎重な立場を取っている。
 ブリヂストンのスポークスウーマンは、英ガーディアン紙に対して次のように語った。「私どもは、当社のフロントタイヤの接地面については心配していません。ブリヂストンは、公式にであれ、非公式にであれ、この件に関してFIAに苦情を述べたことはありません」
 ミシュランはFIAに書簡を送り、現行のタイヤがレギュレーションに適合していると主張し、ルールを変更するなら2004年以降とするように求めた。ミシュランと契約している各チームは、これまでのところ、この件に関してはコメントしていない。


 それにしても、今シーズンのチームのラインナップがミシュランに上~中堅チームが固まったのも原因でしょう。チャンピオンチーム主導とはいえ、プライベーター3チームも抱えてるBS勢が苦しいのも当然。
 さて、レギュレーション自体はどうなっていくのでしょう。





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Last updated  2003.09.06 12:13:16
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