ブー ブー
メールがきた、と携帯のバイブが云う。
それは最近話し始めた女からのものだった。
「夜が怖いの・・・一緒にいて・・・・」
「わがままな女は嫌いだ」
僕がこんなに冷たくなったのは何時からだろう
ー Betray Myself ー
1
「わがままな女は嫌いだ」
そう返事をして、僕はベッドにふせた。
いつもより疲れている今日は、ほとほと元気がない。
大好きな歌も聴けず、日々学校→塾の繰り返し。
これを平穏というのかは知らないが、少なくとも僕は嫌気がさしている。
ブー ブー
また、バイブの音。
どんな返事をしたんだろうか、と少しワクワクしていた僕は早速メールボックスを開いた。
「酷い…酷いよ・・・最低・・・なんでそんなこというの?」
気色が悪い。
「黙れ、俺はもう飽きたんだ。 もっとほかのやさしいやつとメールしろ。 俺はお前にかまっている暇はない」
そう返信した。そしてメールがかえってくることは無かった。
翌日。
日曜なのでぐっすりと眠っていた僕に、1つの言葉がのしかかる。
「早く起きなさい。」
いつもと変わらない母親の声。正直、嫌いだ。
「はい・・・」
反抗する気も起きず、僕はその身をあげた。
本屋にでも行こうか、そう思った矢先。
「今日も塾いきなさいよ。」
この発言には僕もカチンときた。
「ハァ?今日は日曜だろ、なんで塾に行かなきゃいけないんだよ」
つまらない。母親は何を考えているのだ?日曜くらい休ませてほしい。
「アンタ高2でしょ!もう大学受験なんだから毎日塾に通いなさい!」
高2といってもまだ一学期なのだが。母親は気が早い。いや、早すぎるか。
「まだ一学期だよ?そんなに勉強してどうすんの?俺の体壊れちまうよ」
僕の成績は下の中か下の下だ。だが疲れが体にすぐ出るため、前は休み休み塾に通っていた。
「何言ってるの。一学期だからこそでしょ?大学受験に向けて準備しておきなさい。そうすれば後で困ることは無いでしょ!」
些細な反抗にとことんついてくる母親が、僕は嫌いだ。
「だからって、気が早すぎるだろ。」
いつもならハイハイといって済ませるが、こんなことを言われては身がもたない。
「黙りなさい!貴方は塾行って勉強してればいいの!」
とうとう、本音が出たようだ。
僕はもう呆れ、わかったよいけばいいんだろ、と言った。
今日か明日、倒れてやろうかと思った。
僕は貧血気味で、多少疲れやストレスが溜まると倒れてしまうのだ。
倒れて、アイツにこうなることを分からせてやろう。そう思った。
そうすれば少しは休ませてくれるだろう。
鞄に教科書と重たいバインダーを詰め込み、家を出た。
携帯を取り出し、メールボックスを開く。
すると、一通のメールが真夜中に来ていた。
開いてみると、予想通りあの女からのものだった。
「もういいよ・・・もうヤダ・・・死にたい・・・メールなんてしなければよかった・・・あたし死ぬから・・・あなたのせいだからね・・・」
瞬時に死ねば?と思ってしまった。だが何故僕の所為なのかはまったく分からなかった。
「は?なんで俺の所為なの?馬鹿じゃん?死にたいなら死ねば?死ぬことも出来ないくせに簡単にそんなこというなよ、阿呆。」
見事に冷徹な素顔が出た。返信したと同時に、あの女のメルアドをメール受信拒否に設定した。
携帯を折りたたみ、ポケットにしまう。そしてやや壊れ気味のipodを取り出した。
だがなかなか音が出ず、壊れたなと思ってかばんの中にしまった。
舌打ちをして、駅に向かった。
E駅でガムを買い、1番線ホームに出る。
電車が来ないから、発作的に携帯を開いた。
そのとき、メールが来た。
塾の先生からだった。
「今日は塾ないから、家でゆっくり休むといいよ。」
駅まで来た道のりを思ったが、体を休められないよりは良かった。
家に帰り、母親に事情を説明して本屋に行った。
今日は漫画の単行本が出る日なので、コミックを2,3冊買い、自転車に跨った。
川沿いを走り、空を見上げた。雲ひとつない空が、憎らしいほど綺麗だった。
<追伸>もうすぐ二学期です。
更新もたぶん無理です。
なので前書いてそのままの小説をおきます。
高橋しんの「トムソーヤー」が面白いですよ(マンガ)
Betray Myself 2 2007.08.31