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3)永遠にわからぬ「女性」というお客様
永遠の謎、といえば、オーバーかもしれませんが、私も男を長年やってきて、未だに女性のお客様には驚かされることが多々ございます。まあ、女に言わせれば逆もまた真、かもしれません。今回は、女性のお客様と女性ならではのマナーについて、お話しましょう。
「女性客を大事にしないと生きられぬ」
リーマン時代にサヨナラして脱サラ飲食業を始めたことで、一番変わったというのは、色々な方と出会うことができたことかもしれません。会社の場合は、その従業員どうしと取引先の方が中心になるのですが、会社って、ある種 似たもの同士。「同じ釜の飯、同じ出所の金で生活する」からでしょうか社風とかもあって、似通っているなと思います。
特に若い女性の方と親しくお話をさせていただくことは、今の方がはるかに多く、当然ながら上下関係もないので、(お店ではお客様と対等な関係だと思っています。神様とは思っていないのであしからず)話題ってワインに限らず、いっぱい持っていなくちゃいけないな、と思います。私がこの世界のたたき上げの人ではなく多くのお客様と同じ会社勤めだった、という気安さもあるのかもしれません。
前回、お店にまつわるお話を少しさせていただきました。レディファースト、という視点ばかりではなく、また、飲食店に限るわけでもなく、すべての商売、女性客を大事にしないと生き残っていけなくなっています。
必要経費の多い男性に比べて、女性は自分のために使えるお金があるか、というだけではなく、女性客に喜んでいただけると、リピートにダイレクトに繋がる、という点もあります。男と女は、充実度を計る感覚が違うということもあるのでしょう。
ただ、女性は、男の作為的な考え、行動などは、簡単に見抜かれてしまうこともあり、結局、何かいい方法、などと、稚拙な頭で考えるよりも、素直に素朴に自分らしさを一生懸命である、ということを、そのまんま出した方が、うまくいくような気もします。
「こっくりさんのように」
男性の場合は、話題というのは、正直考えなくても大丈夫です。職業的な話とか、清原の話とか(笑)時事ネタでもなんでもいいのですが、女性、特にお一人のお客様とどんな会話してんじゃ?という向きの方もいらっしゃるでしょう。
昔、おまじない、というのか、占いというのか、こっくりさん、やったことのある方もいらっしゃるでしょう。お店での会話、特に女性との会話を進めるのは、このこっくりさん、のような方法です。
え?どういうこと?
こっくりさんの原理は、私も良く知らないのですが、10円玉が数人の手で不思議に動いていきますよね。
お店側とお客様との接点は、ワインとお料理から、ということになるのですが、本やケイタイに夢中という方を除いては、どんなに忙しくても何かお話を差し上げてみます。
ワインいかがですか?というような「水を向ける」とまずワインや料理の関心の高い方に言葉を返していただけます。
あとは、どういう方向に落としどころを持っていけばいいか、相手の方のお話を否定しないで、ゆるゆると進めていく、という感じです。
プライベートな質問はご法度ですが、お客様によって、自分から、カレシがいる、とか、許容範囲を示してくださいますから、時にツッコミや自虐ネタを入れて笑いを取るようにしていけばいいかな、と思っています。
まあ、ここで、何かを生産する、とか突き詰める、というようなお話じゃないですからね。
でも、こちらが唐突すぎて、返答に窮すこんなことを言い出されたこともありました。
初めてではなく、何回目かのおひとりのレディ、席に着くなり
「今日のあたしの気分のワインをください」
また、深夜、男性のお客様をお連れになられた、別の常連のおひとりさま。男性を指差して「この人とは、別に何の関係でもないんです」
まあ、女性は謎です。
「ワインにまつわるレディのべからずマナー」
女性って、レストランでは、たてまつられて、支払いも男がやって、のんきでいいもんだ、と、まあ、おおむね、当たっている(笑)のが、男の感想かもしれません。
でも、見られる側のレディは、レストランでは常に気を張っていないといけませんから肩が凝るということもあるものでしょう。
前回のマナーの続きですが、女性に気をつけていただきたいことがいくつかございます。
「ボトルにさわってはいけない」
日本では、お店の女性がお酌をするのは、ごく当然ですし、お客様でも女性がお注ぎしましょうというのはよくあることで、別になんの問題も無いよね、ということかもしれません。ただ、海外では、ご法度。これは気をつけましょう。
ボトルを持って男に注ぐ、などというのは、淑女(レディ)のすることではない、と、見下されてしまいます。
え?することがないって?
そう、何もしなくていいのです。にっこりと微笑んで愛らしいままでいてください(笑)
「シャンパーニュは最後まで飲まない」
シャンパンの底から立ち上る一筋の泡粒。いつまでも途切れない・・・・・は、美しいものです。フルート(細長い)グラスに注がれてくるワインは、少なくなるとかっこいいソムリエが注ぎ足してくださいますし、いい気分になりますね。
でも、レディよ、あなたは見られている。決して最後まで飲み干さないように。天井を向いて飲むあなたの姿は、男性を幻滅させてしまうかもしれません。
「女性のホストは気をつけましょう」
最近は、グループなどでも女性がホスト役をやることも多くなりました。主賓がいる席でもお酒を注がれるのはレディファーストです。日本では、最初のお酒は主賓に注がれるものですが、そんなことは、おかまいなしです。
最初に注がれそうになってあわてて、あっちあっち、と指を指して指図をしないように、
ご予約、来店のときに、自分の立場を説明して誰をたてるかをお店側に指示しておきましょう。
「ワインに香水はご法度」
時折、遠くにいても、香りが飛び込んでくる、そばを通っただけでネコが鈴鳴らしているみたいで、まるで、歩く芳香剤のような方がいらっしゃいます。
ご本人、たぶん、マヒしていらっしゃるのでしょうが、香水の成分は、ワインの大事な香りの成分と同じエステル化合物ですので、ワインを飲むときは特に控えめにしていただきたいもの。
だいたい、香水というものは、二人が異常接近!する事態になったときに、なった人にだけ絡み付いて離さない麻薬(魔法の薬)だと思っているので、私のように価値の無い男に嗅がせたって意味ないじゃん、って、ちょっとひがんだり。
今日の一言
ワインと美しい娘は二本の魔の糸。経験を積んだ鳥でもこれにはまんまと引っかかる
~フリードリッヒ リュッケルト~
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