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映画『君の名は。』　１シーンに酷似、無人駅が聖地に

　映画の制作会社は内陸線がモデルかどうか「答えられない」としているが、映画を見たファンが県内外から多く訪れる「聖地」となっていることに、地元の人たちは喜んでいる。

　「君の名は。」は、高校生の男女が夢をきっかけに入れ替わる不思議な出会いを描いた作品で、岐阜県・飛騨地方が主な舞台とされている。ネットで話題になっているのは、山あいにある架空の「糸守町」に住む主人公の女子高生・三葉（みつは）が、東京にいる男子高校生・瀧に会いに行こうと列車に乗り込む場面。三葉の立つ駅は、山が迫る背景や三角屋根の待合室、カーブした単線のレール、電柱の配置などが前田南駅にそっくりだ。

　制作会社「コミックス・ウェーブ・フィルム」の担当者は「参考にした可能性もあるかもしれないが、公表している舞台ではないので、公式には答えられない」としている。

　上映されて間もない９月上旬頃から、映画の場面と前田南駅を比較した画像をネットで閲覧したファンらが県内外から相次いで同駅を訪れるようになった。内陸線のフェイスブックにも、「本当だったらうれしい」「行ってみたい」というコメントが寄せられている。

　思わぬ反響に秋田内陸線事業課の稲葉聡（あきら）主任は「これをきっかけに鉄道に興味がない人にも内陸線のことを知ってもらえるとありがたい」と期待する。今のところ、訪れたファンによる事故などはなく、「引き続きマナーを守って撮影を楽しんでほしい」と話した。

　３駅隣の米内沢駅近くに住む北秋田市の調理員女性（４８）は「沿線は緑が多く、日本の原風景が楽しめる。前田南駅は素朴で特にのどか。たくさんの人に来てもらえればうれしい」と話す。夫や高校生の息子ともこの話題で盛り上がっているという。

　沿線の風景を撮影している北秋田市在住のフリーカメラマン植村直人さん（５６）も早速カメラに収めた。「前田南駅は沿線の中でも特に昔にタイムスリップしたような感覚が味わえる。住民らが何とかして残そうとしている内陸線の再評価につながれば」と期待した。

【記事全文】2016年09月24日読売新聞
「君の名は。」１シーンに酷似、無人駅が聖地に

　日本の原風景かぁ・・・