今が生死

今が生死

2022.01.28
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カテゴリ: 感動したこと
昨日左大腿骨頸部骨折手術後のリハビリで入院している85才の女性患者さんの家族(夫)との面談があった。骨折の方は順調に回復しているが問題は認知症である。夫との二人暮らし、骨折する前は夫が炊事、洗濯、掃除、大小便の介助など全てをしていてここを退院後も一旦家に帰り世話をしていよいよとなったら既に予約してある夫婦一緒に入れる施設に入ります。とのことだった。ケアマネージャーや看護師は旦那さんが大変だからここを退院と同時に施設に入ることを勧めていた。
旦那さんは現在86才でまだまだ大丈夫と言っていたがよろよろしているところもありこれだけの認知症を一人で看るのは大変だと思われたが旦那さんがあえてそれをしたいと言うのは夫婦の絆がよほど強いのだなと思った。
2-3日に一回今迄に旅行に行った時の写真などを添えて愛情あふれる手紙を書いて病院に持ってくる。本人も偶に返事を書いてくれるが片言で数行だけらしい。リモート面会も何回も申し込んで行っているが画面を通してだと夫と認識できないないみたいで話がかみ合わないとのことだった。6年前に認知症になってしまったがそれまでは外国旅行も10回以上、国内旅行も何十回としているのでその時の写真を添えての手紙ではある程度思い出してくれることもあるとのことだったが、一番いいのは二階に入院している患者さんに自分が階下の庭から手を振ることだとのことだった。自分が手を振ると相手も手を振ってくれるのでこれが一番の心の交流になるのでこの回数を毎日に増やしてもらいたいと看護師に交渉していたがそれは無理ですと言われていた。
いずれにしてもこんな夫婦があるのかと感心してしまった。一般的にはどちらかが認知症になると手に負えなくて施設を希望するが簡単には入れないのでそれまでの間は健康な方が手におえない患者さんの世話で疲労困憊して真っ青い顔をしていることが多い。この旦那さんは手を振ったら心が通じたと喜びそれほど青い顔をしていなかった。
夫婦のあり方や絆の強さは様々で、片方が病気になった時の対応も様々だと思う。病院や介護施設などで面倒見てもらえれば良いがそうでない場合は地獄の苦しみになるかも知れない。
しかし今回この夫婦をみて「どんなことがあっても相手を大事にして思いやる」という気持ちがあれば地獄の苦しみどころか楽しみにもなるのではないかと思った。





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Last updated  2022.01.28 11:28:30
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Re:片方が認知症になったある夫婦の強い絆に感動(01/28)  
かんぼう さん
。夫との二人暮らし、骨折する前は夫が炊事、洗濯、掃除、大小便の介助など全てをしていてここを退院後も一旦家に帰り世話をしていよいよとなったら既に予約してある夫婦一緒に入れる施設に入ります
♡凄い夫婦愛ですね。相思相愛でお互いを敬い、慕う尊敬の心であふれているかなこんなことができるんですね。夫婦のお手本ですね。見習いたいです。85歳、86歳の御夫婦がこんな介護は必要になっても寄り添う姿。胸が熱くなりますね。そこまでできる御主人は立派ですね。相手を思いやり、労わるという敬愛の心が無いとできないことですね。胸があるくなりますね。見習いたいもんです。私た夫婦は健康人間でピンコロコースと決めて朝夕祈っていますから。 (2022.01.28 19:44:33)

Re:片方が認知症になったある夫婦の強い絆に感動(01/28)  
6年間ですか、私も、1,2年ならできるかもしれませんが、自信が有りません。
ご本人は、むしろ認知症が幸いしてるかもしれません。頭が明快でありこんな介護を受けてると、ご本人は、たまりません。
左大腿骨頸部骨折、やはり徒歩中の出来事ですか。 (2022.01.28 20:26:26)

認知症の奥さんは分かっていないかも知れませんが本当は幸せ  
楽天星no1  さん
かんぼうさんへ

「相手を思いやり、労わるという敬愛の心が無いとできないことですね。胸があつくなりますね」

相手を思いやり色々尽くしても相手は認知症だからその心や行為を理解してくれない。入院してから最初に書いた手紙の返事が「離婚ですか」と書いてあってショックを受けたとのことですがそんなことがあっても労わる気持ちを持ち続けている所が凄いですね。
理解していないだろうと思いながらも相手の事を思って行動していると心が通ずる時もあるのでしようね。認知症の奥さんは旦那さんの気持ちが分かっていないかもしれませんが実際は幸せだと思いますね。 (2022.01.28 22:21:38)

Re:片方が認知症になったある夫婦の強い絆に感動(01/28)  
80歳過ぎてからの介護は大変だと思います

まして、このコロナ禍になると余計に面会もできないしね

うちの亡くなった嫁さんは若年性アルツハイマーで、

自分も介護を4年ほど、していました

此処には書けない、いろんなことがありました

毎年、記憶という葉っぱが落ちて行きそれを見るが

一番、辛かったです

出口の見えない迷路を二人で彷徨っている感じでしたね

仕事と介護で気の休まる日がなかったけど、時折見せる

笑顔と、手を繋いで、散歩するのが楽しかったですね

生きていたら、今年の2月で61歳なのになぁ

でも、今のコロナ禍では、自宅での介護

多分、根をあげてしまうかも?けど、記憶は無くとも

時折見せる笑顔に救われましたが・・・・

その頃、一番思っていたのは自分の体力が落ちてきたらどうなる

のだろうと、誰が嫁を見てくれるのかとか?

どうしても、自分が守ってやることしか考えること出来なかったです

今はその笑顔は見ること出来ませんがね (2022.01.28 22:22:21)

ご本人はむしろ認知症が幸いしてるかもしれません  
楽天星no1  さん
ケイサン9574さんへ

「ご本人は、むしろ認知症が幸いしてるかもしれません。頭が明快でこんな介護を受けてると、ご本人は、たまりません。
左大腿骨頸部骨折、やはり徒歩中の出来事ですか」

頭はボケていないが体が動かなくなって旦那さんの世話を受けなければならないとなると辛いでしょうね。
骨折の原因はデーサービスに行こうとして車の所まで行こうとしてつまずいて転んだみたいです。
(2022.01.28 22:28:01)

時折見せる笑顔  
楽天星no1  さん
dekoponさんへ

[毎年、記憶という葉っぱが落ちて行きそれを見るが一番、辛かったです

出口の見えない迷路を二人で彷徨っている感じでしたね

仕事と介護で気の休まる日がなかったけど、時折見せる

笑顔と、手を繋いで、散歩するのが楽しかったですね]


読んでいて涙が出ました。皆さんそれぞれ苦労してきているのだなと思いました。でも時折見せる笑顔と手をつないでの散歩が楽しく救われたとありますが、認知症にも色々あり騒いだり暴れたり何回も捜査願を出さなければならないような認知症もあり、そういう症例よりは少し軽症だったかなと思いました。
しかし私の経験ではどんなに認知症が進んでも笑顔の瞬間はあると思います。その笑顔に救われて家族も医療関係者や介護者も頑張れるのではないかと思っています。 (2022.01.29 09:21:08)

Re:片方が認知症になったある夫婦の強い絆に感動(01/28)  
moto,jc  さん
おはようございます
よく介護に疲れて殺人を犯したり自殺したり というニュースも聞きますが、6年も介護されているのは一重の愛情でしょうかね (2022.01.29 22:52:14)

介護疲れは想像以上  
楽天星no1  さん
moto,jcさんへ

「よく介護に疲れて殺人を犯したり自殺したりというニュースも聞く」

介護疲れはケースによっては地獄の苦しみだと思います。今は病院とか介護施設とかあり、複数の人に介護してもらうので助かりますがそれを一人でするのは大変だと思います。今はケアマネージャー制度があり、個々のケースに対応してくれますので介護する人が潰れてしまいそうな時は施設をお願いした方が良いと思います。しかしそれにはお金がかかりますのでお金に困る場合は市役所などに相談して介護保険の申請や生活保護の活用などあらゆる方法を検討するのが良いと思います。其のままだったら完全に患者さんより先に介護者が潰れてしまう可能性があると思うからです。
でもこのケースのように愛情でつながっている場合は別です。 (2022.01.30 11:46:41)

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