moto,jcさんへ

iPS 細胞を使った研究は多方面で成果を出しつつあり、事故などで脊髄損傷して下半身が動かなくなった人が脊髄再生細胞を移植してもらって歩けるようになった記事を読みました。
iPS細胞でパーキンソン病が治るようになったら、次はアルツハイマー型認知症を治す研究だと思います。これは脳内にアミロイドベータという蛋白質が増加して脳内の神経伝達を障害するからだと考えられています。
アミロイドベータは脳内に生じたゴミでこれを取り除くことが治療になります。iPS細胞を使ってこのたんぱく質が溜まらないように食べてしまう細胞を作る研究も行われています。
アルツハイマー型認知症が治るようになれば世の中はかなり変わっていくと思います。 (2022.03.07 18:58:44)

今が生死

今が生死

2022.03.07
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カテゴリ: 感動したこと
こちらの病院に来てからパーキンソン病の患者さん4人を受け持った。男性一人、女性3人である。いずれも10年前後経過しており、かなり進行した状態である。
パーキンソン病は50才以上の中高年者に好発する病気で手の震え、動作緩慢、筋固縮、転びやすいなどの症状で始まり次第に進行して嚥下筋の障害で食べられなくなり上記4人の内2人は胃ろうを造設している。
パーキンソン病は脳内の黒質に存在するドパミン神経細胞が次第に脱落することから発病する。
今iPS細胞を使ってドパミン産生細胞を脳内に植え込む研究が行われているが、まだ実用化には至っておらず、現在の治療法はもっぱらドパミン製剤を外部から投与、つまり内服してもらう方法である。
ドパミン産生細胞を脳内に植え付けることが出来れば日本に20万人以上いるパーキンソン病患者さんは救われることになり、その完成が待ち遠しいところだ。
ロシア大統領プーチン氏は信じられない言動をしており、パーキンソン病ではないかとの推測がなされたことがあったが、病初期の段階では異常言動は少なく、初期では痙攣や動作緩慢は必発なのでプーチン氏のパーキンソン病説は可能性は少ないと思われる。
病期が10年、15年と経ってくるにつれてレビー小体認知症などを合併して妄想や幻覚、思い込んだことは絶対変更しないなどの症状が出ることがあるが、それは病期が進んでからで、プーチン氏には当てはまらないと思われる。上記の男性患者さんについては思い込んだら誰が何といっても受け入れない傾向が見られたが、元々の性格もあり、それがパーキンソン病によって増強されたという印象であった。
女性3人については病気が進んで二人は胃ろう栄養で会話も殆ど出来ない状態で寝たきりである。大小便の管理や体の清潔(入浴)、褥瘡予防のための体位変換等が必要である。看護師や理学療法士などが良く対応してくれているがかなり大変だ。それなのに二人の旦那さんは退院後は自宅で面倒見るという。看護師などのプロが複数で対応してもかなり大変な仕事なのにそれを今回入院するまでは自分でやってきたので退院後もやってみるとのことだった。凄いことで頭が下がった。
もう一人のまだ胃ろうを造っていない女性患者さんも大小便の世話、入浴は上記2人の患者さんと同じだ。それなのに当院に入院する以前は旦那さんが自宅で全部面倒を見てきた。入院してからはコロナで面会できないので3日置き位に手紙を届けてくる。患者さんは字を読んだり返事を書いたり出来ないので看護師さんが読んであげてそれに対する患者さんの反応に一喜一憂している。

いずれにしてもパーキンソン病は徐々に進行していき自分が思うような動きが出来なくなり、周りの人の世話が無ければ生きていけなくなる病気だが、3人の患者さん何れもそのような不自由な体になってしまったが旦那さん達が献身的に看病しており、救われている所もあると思っている。





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Last updated  2022.03.07 13:47:25
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Re:パーキンソン病とはどんな病気か(03/07)  
かんぼう さん
こちらの病院に来てからパーキンソン病の患者さん4人を受け持った。男性一人、女性3人である。いずれも10年前後経過しており、かなり進行した、初期では痙攣や動作緩慢は必発なのでプーチン氏のパーキンソン病説は可能性は少ないと思われる。状態である。
◎病気は突然進行を開始する恐ろしい魔物でですね。
私の母もパーキンソン病でした。
病魔は音もたてずに忍び寄る恐ろしい魔物ですね。高齢者は成人3代病が大半ですからあるままに受け入れて余生を過ごすしかないですね。
健康で過ごせるときに感謝しての余生です。
(2022.03.07 15:32:20)

Re:パーキンソン病とはどんな病気か(03/07)  
moto,jc  さん
こんばんは
パーキンソン病も大変な病気みたいですね はやく細胞を脳に植え付けられるのが実用化されるといいですね (2022.03.07 16:27:33)

身近な人がパーキンソン病になることもある  
楽天星no1  さん
かんぼうさんへ

[私の母もパーキンソン病でした]

私の姉二人もパーキンソン病でした。私の50年来の友人も今パーキンソン病と闘っています。昭和天皇もパーキンソン病でした。
ドーパミンというホルモンが足りなくなったための病気と突き止め、治療薬としてドーパミン内服薬が開発されましたが、その効果は年月と共に効かなくなり、発病から10~15年で死を迎えることが多いです。
脳内でドーパミン産生細胞が減少していくことが病態ですが、iPS細胞を使ってその細胞を早く作ってもらいたいと思います。
もう7~8年前頃にその研究がスタートしたと聞きましたので今頃はもう完成してもいい頃だと思うのですがまだ完成の発表はありません。でもそれは近いと思っています。 (2022.03.07 18:25:10)

iPS 細胞を使った研究は多方面で成果を上げつつある  
楽天星no1  さん

Re:パーキンソン病とはどんな病気か(03/07)  
詳しい説明でよく判りました。
初期では痙攣や動作緩慢は必発なのでが、納得でした。
私の母は、30数年前に亡くなりましたが、認知症や、パーキンソン病の疑いや、症状は無かったのですが(一つだけ,転びやすく成っていたと)、幻覚や妄想をよく訴えました。当時は、レビー小体などの知識がなく、今から考えたら、それだったようです。
ただ、楽天星さんの言う、進行過程からしたら、レビー小体だけの原因は、おかしいのだと判りました。 (2022.03.08 11:28:05)

レビー小体型認知症について  
楽天星no1  さん
ケイサン9574さんへ

認知症にはアルツハイマー型認知症を筆頭に脳血管性認知症、レビー小体認知症など沢山あります。
レビー小体型認知症というのはアルツハイマー型認知症が脳内のゴミであるベータ蛋白が溜まって来るのに対して脳内にレビー小体というゴミが溜まってくる病気です。パーキンソンの末期に合併することもありますがパーキンソンとは関係なく発病することの方が多いと思います。
(2022.03.08 12:27:04)

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