May 29, 2010
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カテゴリ: 飛行機
ゴーアラウンド とは、着陸やり直しのこと。
接地直前にエンジンふかして再上昇するまでの一連の操作をこう呼びます。
天気が悪くて滑走路などが見えないときや、予期しない障害物が滑走路に入ってきたときなどは当然ゴーアラウンドします。

そして パイロットの腕が原因で やばい着陸 になりそうな場合も、ゴーアラウンドの対象になります。

私の場合もそうですが(進行形)、操縦を任された へったくそな副操縦士 がやばい着陸をしそうなとき、

「あーだめだめ、ゴーアラウンド!」
と機長が宣言して、無理な着陸を「あきらめ」させます。


などと言って、コントロールを取ってしまいます。
安全のためだから当然です。

では逆に、 機長がやばい着陸をしそうなとき はどうでしょう。
残念ながら、 ちょっとやそっとのやばさ加減 では、たいていの副操縦士はゴーアラウンドを宣言「しません」。

師弟関係に近い上下の序列が今でも伝統的に残っているパイロットの世界で、 弟子が師匠に物申す ことは、相当の勇気が必要だからです。
まして機長は職制上はもちろん、社内での地位も副操縦士の上司に当たるわけで、人間関係上の 遠慮 が入りこんでしまいます。
実はこれは大変な問題で、機長に遠慮して副操縦士が何のレスポンスもとらなかったために、墜落事故まで起きているほどです。


CRM (Crew Resource Management)と呼ばれる、社会心理学的・行動科学的アプローチから、おもに人間関係の構築を柱にした、チームのパフォーマンス向上を目指すためのセミナーをパイロットは毎年受けることになっています。
そのなかで、 「何が一番大切なことなのか」 充分すぎるほど思い知らされることになります。

身体と心に浸透するまでずいぶん時間がかかりましたが、私の場合、これに気づいてからは 己のへたっぴぶりや未熟さをとりあえず忘れて 、じゃんじゃん(ってほど機会はないですが)機長に対してゴーアラウンドを宣言できるようになりました。


「さっきはきっちり職務を果たしてくれて、ありがとう。」
要約するとこんな感じですが、 パイロットが2人乗っている理由 を機長は誰よりも理解しています。


さて私の機長昇格ですが、ただいま訓練計画凍結中です・・・。
業界全体の方向性がまだまだ定まりそうもない中で、うちに限らず乗員養成計画を再検討する会社も多いと聞いています。
今しばらくは人智を尽くして天命を待つのみですが、 自分はどんな機長になりたいのか 理想を思い浮かべるにはちょうどいい待ち時間になっています。

副操縦士(A)  「あーあー、ゴーアラウンド!!!」
機長(私)  「はいよー」

副操縦士が「気軽に職務を果たせる」雰囲気をもったキャプテン・・・。
これが私の目指す理想です。




写真・・・管制都合でゴーアラウンドさせられた時の不満度は100%w(某シミュレーションゲームより)
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最終更新日  May 30, 2010 03:00:43 PM
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