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2008.01.28
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カテゴリ: 雑感

ほんの1年くらい前まで、世界経済は過去30年間で最も良い状態だとか、ゴールディロックス経済と言われていたことが、うそのようですね。
うまくいっていた時の世界の経済構造はどうなっていたのか、整理してみようと思います。

・インフレの緩和
先進国企業が、中国などの新興国に工場を移転し、生産を開始しました。
新興国では生産コストが安いので、安価な製品が大量に出回ります。
その結果、世界中でインフレの進行は緩和されました。

・好業績/好景気
先進国企業は安価で販売しても、低コストの労働力を有効活用することにより、好業績を残すことができました。
企業が進出した新興国は好況に沸き、インフラ整備などの投資も進みました。
こうして世界経済は順調に拡大していきました。

・ドルの安定
企業が生産したモノは、アメリカに輸出されます。その結果、アメリカの対新興国向けの貿易赤字が増大しました。
新興国の多くは、通貨をドルとリンクしています。そのため当局は為替介入をせざるを得ず、ドル相場も比較的安定していました。
また、投資マネーがアメリカに還流したことも、ドル安防止に貢献しました。

・低金利
新興国の外貨準備高が膨らんでいきますが、これらの多くはアメリカ国債に投資されたため、アメリカの長期金利は低い状態が続きました。
これもアメリカの好景気を持続させるのに、役立ちました。
マネーがうまく還流するしくみになっていたのですね。

・資源インフレ
新興国でモノが大量生産されるようになると、原材料の奪い合いが始まります。その結果資源インフレになり、資源を持つ中東やロシアなどの国力が高まりました。
オイルマネーは大量の余剰資金を持つようになり、投資に回すマネーが急増しました。

・資産インフレ
資源国の余剰マネー、貿易黒字による新興国マネー、低金利と金融技術によるマネーの膨張、などにより、投資マネーが増大していきました。
これら投資マネーは株式、不動産、商品などに向かい、一部ではバブルの様相を呈してきました。


こうして世界経済は、インフレ無き好況を謳歌しているうちに、バブルの芽が芽生えていきました。

現状では何が変わったのでしょうね?

まず、サブプライムローン問題(不動産バブル崩壊)により、金融機関の不良債権問題に発展しています。これがアメリカ景気に悪影響を与えています。
それが世界景気に不透明感をもたらしています。

また、マネーの還流がうまくいかなくなってきました。
そうすると、アメリカの貿易赤字をどうやって支えるのか、不安になります。
そのため、ドル不安がささやかれています。
基軸通貨が不安定な事は、世界経済の安定的発展に悪影響を与えると思います。

金利については、金融当局が金融緩和を行っていますので、低金利が維持されています。

インフレについては、景気減速懸念もあり、(特に日本の消費者物価は)今のところ抑制されています。今までと大きな変化はありません。
しかし資源価格の高騰に起因するインフレ傾向が、広まりつつあります。特に新興国でその影響は顕著です。

資源インフレについては、株や証券から逃げた投機資金が、商品に向かったため、一時的には高騰しました。しかし景気悪化懸念もあり、先行きには不透明感が漂います。
実物経済にとっては、資源インフレが抑制されることは、良い事だと思います。企業業績にとっては、プラスでしょう。
しかし同時に、資源国の余剰マネーが減少すると、投資マネーの縮小を促しますので、資産価格にはマイナスの影響を与える可能性もあります。

結局はアメリカの不動産価格が下げ止まることと、金融機関の不良債権を処理することが必要だという、月並みの結論になりますね。
日本と違って、欧米金融機関の不良債権処理は素早そうですが、一度下落に転じた不動産価格が下げ止まるのには、かなり時間がかかると思います。
基軸通貨が不安定なのは、困りますね。いずれ国際協調が必要になるでしょう。





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Last updated  2008.06.07 11:21:19
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