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2005年10月11日
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カテゴリ: 日本文化

 柿の特徴として「渋」があります。甘柿にも渋柿にも渋は含まれています。なぜ、甘柿が渋くないのかというと、熟す過程で水溶性から不溶性に変化するからです。不溶性になると、口の中で溶け出してこないので渋くなくなります。不溶性に変わった渋が黒い「ゴマ」です。科学的成分としてはタンニンの仲間のシブオールという物質です。おもしろい名前ですね。日本人は渋柿すら、渋を上手に抜いて食べていました。干し柿や樽柿などですね。渋くなくなるだけでなく、保存性を高める巧妙な智恵です。食べる意外でも、昔は柿の渋を紙の防水に使ったりしていました。また、木材としても、建築材料や建築工事用の足場などに利用されていたようです。柿の木は木目が緻密で硬く、熱にも比較的強いので茶室の炉縁には持って来いだったようです。劇場で初めてお芝居などが上演される事を「こけらおとし」と言いますが、漢字で書くと「柿落とし」です。ほんとは旧字体で書くのでちょっと違いますが。「こけら」とは工事用の仮設足場などのことで、足場を外して初めての上演を行うことから、「こけらおとし」と言われるそうです。
 芭蕉の句でこんなのがあります。

 里古りて 柿の木持たぬ 家もなし

古い里なので、柿の木のない家はひとつもない という意味なのですが、昔の農家では、たいてい柿の木が庭に植えてありました。地方によってはお嫁さんが嫁ぐ時に柿の苗を持ち込み、植えるのが慣わしだったところもあるようです。そして、そのお嫁さんが年を取って姑になり、やがて死んでいくと、その柿の木は、火葬の薪やお骨を拾うはしにされたそうです。また、新婚初夜にあたって、新郎新婦が「柿の木問答」をする慣わしもあったそうです。新郎が「おまえの家に柿の木はあるか」。新婦「あります」。新郎「おれが取ってよいか」。新婦「どうぞ取って下さい」と問答します。この問答のあとで夫婦ははじめて結ばれたとか。今ではちょっとぴんときませんが、柿は女性の象徴のように考えられていたようです。
 昔、おばあちゃんが、自家製の干し柿を軒下にたくさん吊るしたのを、早く甘くならないかなーと楽しみに眺めていた事を思い出して懐かしいです。





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最終更新日  2005年10月11日 23時14分05秒
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