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2006年02月16日
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カテゴリ: 文学

 方丈記は、鴨長明が1212年に残した作品です。鎌倉時代の前期ですから、徒然草よりは古いことになります。当時は戦国時代で世相的にはお世辞にも明るいものではありませんでした。戦乱、飢餓、疫病などに人々は苦しんでいました。方丈記の根底にある思想は仏教的な無常観です。暗い世相による部分もあるでしょうし、長明の執筆当時の生き様にもその理由があります。長明は京都下鴨神社の禰宜(ねぎ)の家に生まれ、一時は神社の社司の候補にもなったのですが、結局、社司にはなれず失意のうちに出家しています。この点では徒然草の吉田兼好とちょっと似ています。二つの随筆に共通して無常観という思想が見えるのもそれゆえなのかなとちょっと面白いですね。
 方丈記の「方丈」とは一丈四方の意味で、出家後に長明がこもった庵の名前です。丈とは長さの単位で、約3mに当たります。つまり3m四方の小さな庵ということですね。この方丈は画期的なことに、組み立て式で持ち運びができるモバイル住宅でした。長明は出家したあと、京都伏見の日野の地に落ち着くまでは、放浪の生活を送っていました。そのために必要にかられて発明したのがこの方丈だったようです。
 人にもよるでしょうが、最低限の雨風をしのげるだけの装備を持って、あてもなく放浪するという生き方は、私には魅力的に思えます。今風に実行するとしたら、ステーションワゴンに寝袋と最低限のキャンプ道具を積み込み、あてもない旅に出るというところでしょうか。片岡義男の小説「メインテーマ」みたいですね。
 最後になりましたが、方丈記の序文を蛇足ながら書いておきます。中学生のころ、学校の授業で暗記させられて、未だに忘れていない(^^)。


 ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にはあらず。

 よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、

 久しくとどまりたるためしなし。








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最終更新日  2006年02月16日 19時08分43秒
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