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対象者は児童で、オレが当事者(要請者)だった。場所はグランドのど真ん中。
詳しくは書けないが事態は切迫しており、現場にいなかった養護教諭でさえ緊張感で青い顔になる状況だった。正直、生命の危険を感じた。
救急隊出動の要請はオレ→養護教諭→教頭と伝わり、校長の最終判断により119番通報を行った(と思う)。並行して保護者への連絡、他の児童への指示、担架の手配などチームワークよくテキパキと行われた。
救急隊到着。
児童の容体もやや安定してきた。
隊員はバイタル(脈拍・呼吸・血圧・体温)のチェック、別の隊員は養護教諭に本人確認を行った。養護教諭は健康調査票をもとに氏名、生年月日などを伝えた。
しかし、いつまでたっても状況の確認すなわち「何が起きて救急隊出動を要請したのか」を聴取しようとしない。救急隊員の「どういう状況だったんですか」の一言を待っていたオレは記録用紙を持つ隊員に状況を説明したが、記録しようともせず「はあ」と生返事を繰り返すばかり。
バイタルのチェックが終わり、搬送先の検討に入る。健康調査票から母親の勤務先が病院であることを知った隊員は「○○医院に搬送しましょう」と。
はあ、町医者?
イヤ、別に町医者をバカにしているわけではないが…
母親の職業はドクターでもナースでもなく、受付の事務員である。
隊員が状況を把握していないと感じたオレは再度状況を説明した。
それでも隊員は「はあ」と生返事。
結局、救急車には養護教諭が同乗して母親の勤務先である医院に向かった。
オレは隊員が正確な状況を把握しているのか半信半疑ながら、救急車を見送った(この時点で養護教諭は詳細な状況を把握してはいない)。
救急車を見送って教室に戻ると子どもたちは青白い顔をしていた。泣いている子もいた。「死んじゃったの?」と。いやオレも不謹慎ながら「死んじゃうのかなあ」と思ったぐらいだったから。。。
数時間後、母親が状況報告のために来校した。隣には笑顔の児童の姿。
母親の勤務先である医院で点滴だけ打って帰宅を許されたとのこと。
児童の笑顔にほっとしたものの、処置は点滴だけという診断に疑問が。
やっぱり伝わっていない!
母親に状況をくわしく説明し、再度医者に判断を仰ぐよう伝えた。
その後「そのような状況だったのであれば、早急に大病院で精密検査が必要であると指示された」との電話連絡が母親から入った。
救急隊の出動を要請をしたオレが搬送先まで同行できなかったという事情がこういう事態を招いてしまったのかもしれない。しかし、一般家庭以外からの通報では、状況を正確に把握している者、通報者、救急車への同乗者がそれぞれ異なるということはあり得るケースである。学校現場ではすべてが同一人物である方が稀であろう。
救急隊員は医者ではない。
だが、医者と同じくらい、いやそれ以上に患者の生命を預かる立場である。
的確な状況把握と判断、そしてそれを正確に搬送先の医者に伝える義務があると思う。
おそらく救急隊員は「緊急性なし」との判断を下したのであろう。ならば、少なくともバイタルチェックと状況把握の結果から判断した「緊急性の有無」くらいは当事者であるオレに伝えてほしかった。
もう二度と救急車は呼びたくない。。。