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カテゴリ: 文楽
shinjuu.jpg

文楽・錦秋公演「心中天網島」です。 

少し長い文章になりましたが、
新地での ハロウィンパーティー から始まり、
義太夫語りである 祖母・豊竹呂之助 のことに関してまで、
5回に分けて書いてきた日記の最後となります。

今日は珍しく、ゆっくりと読んでいただきたい日記となりました。


      ◆      ◆      ◆ 


以前のブログで、

> 遊女・小春 は艶っぽく、




      ◇      ◇      ◇ 

この物語は、
享保五年、大坂天満の紙屋治兵衛 と 曽根崎新地の遊女小春が
大長寺で心中した事件を題材に、(大坂=大阪)

近松門左衛門が書き下ろした作品で、
内容は 殆ど実説どおり、つまり「実話」であると言われています。

今日は、文楽の魅力については さておいて、
近松門左衛門の「心中天網島」を紹介したいと思います。


      ◆      ◆      ◆ 


天満で紙屋を営む 治兵衛は、二人の子供がありながら
曽根崎新地 の遊女 小春と深く馴染みます。


小春を身請けしようとする男(江戸屋太兵衛)が現れ、
会うことすら出来なくなる二人。
そこで、このまま仲を裂かれてしまうくらいなら 「いっそ 心中しよう。」と
二人は約束し合います。

一方で、二人の仲を心配する 治兵衛の兄が 小春に会い

小春の口から出た言葉は意外にも、

「 わたしは、本当は 死にたくない。」というものでした。

それを、まずいことに、心中を誓い合った仲の 治兵衛が
部屋の外で聞いてしまい、
騙されていたのだと知って 逆上します。 【北新地河庄の段】

bun3.jpg

      ◇      ◇      ◇ 

舞台は 治兵衛の店に変わります。

仕事が手につかない 紙屋治兵衛を見かね、
妻のおさんが 小春への未練を質します。

ところが、治兵衛は、
「縁が切れ、10日も経たぬというのに、
小春は 江戸屋太兵衛に身請けされるというのが悔しい。」と漏らします。

そこで、妻おさんは気付きます。
「小春は、身請けの前に、一人死ぬ気でいるに違いない。」と。


実は、おさんは 小春に対して、
「夫と死んでくれるな、二人の子を悲しませてくれるな。」
と、手紙を送っていたのです。

そう、小春が 治兵衛の兄と合ったときに言った「死にとうない。」
という言葉は、妻おさんに対して 申し訳が立たない。
と思う気持ちから 出たものでした。


そこで おさんは、自分が小春に手紙を送ったのだ。
と、治兵衛に明かすのですが、
ここからが 大和撫子の凄いところ。

このまま小春を死なせては女同士の義理が立たぬと、
店のお金や、自らの着物など、ありとあらゆる物を質に入れ、
江戸屋太兵衛が小春を身請けしようとするのを中止させるべく、
請け出し用の金銭を工面します。

この当時の女性というのは、我々の想像を絶します。

osan.jpg おさん

ところが、ちょうどそこへ舅(しゅうと)がやって来て、
全ては水の泡に。おさんは実家へ連れ戻されます。  【天満紙屋内の段】

      ◇      ◇      ◇ 

もはや死ぬより道がないと悟った 治兵衛は、
小春と茶屋「大和屋」で会い、死ぬ覚悟を決めます。

そこに、治兵衛とおさんの二人の子供を連れた 治兵衛の兄が
二人を探しにやってくるのですが、見つけることはできず・・・ 

これから死のうという男女二人と、
それによって この世に残される子供二人の対比が泣かせます。 【大和屋の段】

bun1.jpg

      ◇      ◇      ◇ 

舞台は、死に場所を探す二人が歩く場面へと変わります。

そこは、 大江橋  から 難波小橋、舟入橋を経て
大長寺へと続く道。

この大江橋こそが、僕が新地への飲みに行く際、常にタクシーを止める場所

いくつかの 小さな因果 というか、偶然が重なります。


ここまでは、記憶をもとに書いて来たのですが、
最後は パンフレットに書かれている内容を簡略化して終わります。

とても面白い伝統芸能です。
これを読んで興味を持たれましたら、是非、実際に足をお運びください。

では・・・・

bun4.jpg 治兵衛 と 小春


【道行名残りの橋づくし】

難波小橋から舟入橋へと浜伝いにきては、
冥途の道が近づくと、
二人は顔を見合わせて泣くのでした。

寺々の鐘に追われるように
網島大長寺 の傍らの小川の樋の上につきます。

ここで二人が死に顔を並べては、
「 殺してくれるな。」『 殺すまい。』と
おさん様と交わした文を反古にすることとなり、
さすが流れの女と、おさん様一人に恨みをうけるが未来の迷いになる。
と、繰り返し小春は泣くのでした。

しかし、治兵衛は小春を引き寄せ「 泣き顔を残すな。」と気を取り直し
小春を刺し、自らも命を断ちました。

この時 治兵衛は 二十八、小春は 十九でした。 





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最終更新日  September 24, 2010 08:54:32 AM


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