死ぬまでうたたねブログ

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2005.09.24
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テーマ: 本日の1冊(3798)
カテゴリ: ご本
ゆっくりさよならをとなえる



この人が芥川賞を取った「蛇を踏む」は読んだかどうか覚えていない。
冒頭の一文は記憶にあるのだけれど、ストーリーが思い出せないから、始めの一文だけどこかで見たか、読んだけれど途中でやめたのかもしれない。

たぶん一番有名なのは「センセイの鞄」だと思うけれど、私がこの人の本で一番好きなのは「神様」だ。

「可笑しな時間」「可笑し人間」「可笑しな生き物」「可笑しな世界」を書くのがこの人は上手い。

う~ん、どうも言い切れないのだけれども、今回は小説ではなくてこちらのエッセイ集を紹介ということで省略。


たぶん一年か二年くらい前に買った文庫本で、読まないままになっていた。
大体、エッセイ集なんて気持ちに余裕のある時じゃないと読んでられない。

どうして手に取ったのかと言えば、最近人から借りている京極夏彦の「続巷説百物語」を通勤電車のお供にしているのだけれど、首が飛んだり生首が喋ったりどうにも物騒で、朝はもうちっと穏やかな気分でいたいな、と思って何か他にもう一冊持っていこうと出勤前に慌ただしく本棚を探ったところこの文庫本がちょうど良く手におさまったのであります。




えへらえへらと笑いながら書く感じで、明るくもなく暗くもなくさみしくもなく楽しくもなく、だけどちょっと楽しそうに日常を書く。

それはそれで独特な世界でいいんだけど、毎日せっぱ詰まって生きている私からすると、もうちょっとせっぱ詰まったところも見せてくれよ、という気にもなって、ちくしょー売れっ子作家は気楽でいいなあ、なんて感想も生まれる。


はっと驚かされたのは、後半(3の章)にある短い書評のいくつか。

ここで初めて川上弘美さんの真面目な部分を見た気がした。「えへらえへら」の影はあるものの、本に対する真摯さというか愛情というか本を純粋に楽しむ気持ちが「えへらえへら」一直線を許していない。

藤枝静男「田紳有楽」だとか、田辺聖子「私的生活」だとかヘミングウェイの3冊だとか、紹介されている本全部を読んでみたくなった。

こんなことは人の書評を読んで、初めて。

本の好みが似ているということもあるのだろうけど、背後に見える川上弘美さんの圧倒的な読書量と、もう本が好きで好きで好きで声高に言うわけじゃないけれどやっぱり本と相思相愛の仲なの、という小さな呟きが行間から伝わってくる文章には、ひたすら好感が持てた。好感が持てた、とは尊大ですね。参った、かな。う~ん、芥川賞作家に対して参ったも何もない気がするかも。じゃあ、感服の至りでございます。ということで。


それにしても、この「えへらえへら」エッセイの後に、真面目書評を持ってくるのはずるい。

普段は冗談ばっかり言ってる男の子が、体育祭で見せたみんなをまとめる意外な大人っぽさにキュンとくる感じです。


修士論文が終わったら読みたいリストに、ここに載っている本をそっと追加する。





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Last updated  2005.09.26 00:34:09
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のへぴょん@ 同意! 確かに・・・季節のご挨拶に拘りつつ、 …

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