(4) 時間選好率の歪み 時間選好率とはある時点と別の時点の経済価値を較べる際の価値判断を表す数字で、通常利回りの形で表現されます(同金額なら近い将来のお金の方が遠い将来のお金よりも価値が高い)。伝統的な経済理論では、これがほぼ一定で安定していると考えられることが多く、実際に、数日間のお金の前借りのために、2、3ヶ月分の金利を払う(数日の時間選好率が長期の時間選好率の何倍にもなる)というような取引を繰り返すと、あっという間に貧しくなってしまいます。しかも、通常は、市場での金利形成を表すイールドカーブは長期の利回りの方が高く、短期の方が低くなっているのです。 しかし、最近の研究では、普通の人間は、短期の金銭的リターンと長期の金銭的なリターンについて、時間選好率に極端な開きがあり、端的に言って、目先のお金を得ることに対して非常に大きな価値を認める(対価を払う)一方で、将来の時点の差による金銭価値についてはイールドカーブ並みの冷静な判断をすることが指摘されています。ちなみに、この現象に関しては、人間の脳の働きによるものではないかという研究が最近発表されています(たとえば「サイエンス」の2004年10月15日号に“Separate neural systems value immediate and delayed monetary rewards”という論文が載っています)。 毎月分配型のファンドは言うまでもなく、目先の金銭的報酬を提供する仕組みです。