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2010.04.18
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カテゴリ: 経済
【コラム】セックスレスが日没国の経済に恩恵もたらす-W・ペセック


日本が「日出(い)づる国」であることを考えれば、悪い名前ではない。しかし、結党の中心メンバー2人の平均年齢が71.5歳となると、「日没」党の方が党名として適切なように思えてくる。

この「70代クラブ」はデフレと負債に押しひしがれた日本経済の再生を目標に掲げる。この意図とは裏腹に、日本における若者パワーの欠如と人口構造が日本の将来と信用格付けを脅かしていることを浮き彫りにする形となった。

出生率が下がっていなければ、高齢人口が増えてもそれほど困らない。しかし、避妊具メーカー、デュレックスの年次調査によれば、日本国民の性生活は活発な方とはとても言えないお寒い状況で、経済学者や社会学者にもどかしい思いをさせている。

しかし、もしかしたら日本の人口構成は実は強さの源なのかもしれない。この逆説的な見方は検討する価値がある。なぜなら、日本は人口問題について何の対応も取ろうとしていないし、先進国の多くは近いうちに同じ状況に陥るため、日本は人口問題の先駆者になれるからだ。

「豊かさは最良の避妊具だ」と指摘するのは、MFグローバルの株式調査ディレクター、ニコラス・スミス氏(東京在勤)だ。同氏は出生率と経済成長の相関について長く研究しており、「国民1人当たりのGDP(国内総生産)の増大と出生率低下の間に相関があることはよく知られている」と説明する。

            理想的人口構成

労働人口の減少を理由に、ジム・ロジャーズ氏らの投資家は日本を敬遠する。ロジャーズ・ホールディングス会長の同氏はシンガポールを拠点として活動している。これらの投資家は、日本のGDPのほぼ2倍に上る公的債務を返済するのに十分な労働力がいなくなると懸念する。しかしスミス氏は、日本の「理想的な人口構成」にほれ込んでいる。退職者や女性という黒字要因が、今後何年かの成長を支えると考えている。



日本政府はまた、移民を増やすなど、すぐにでも思いつきそうな措置も取っていない。ドイツは第二次世界大戦後に比較的緩やかな移民政策を採用し、50年代の奇跡的経済成長の基盤を築いた。ドイツは現在、世界第2の輸出国、一方で日本は4位だ。

            アジアのスイス

単一民族国家、日本にとって移民はタブーだ。このため、人口問題では日本国民という枠内で最善の道を探るしかない。日本の戦略は、アジアのスイスになり、人口減少が必ずしも生活水準低下につながらないと証明することのようだ。

少ない人口でやっていくことには、環境面での利点がある。2050年になった時、地球は本当に90億人の人口を支えられるだろうか。何とか持続可能な状態を保つだけでも、クリーンエネルギー技術の飛躍的進歩が必要だろう。

さらに、日本には労働人口という点で若干の緩衝材がある。最も明白な存在は女性だ。

以前にもコラムで指摘したが、日本では男女差別があるため、1億2600万の人的資源の半分しか、労働市場で活用されていない。手の届く価格での保育サービスの不足も働く女性に出産を尻込みさせる。仕事と家庭を両立させることの難しさから、子供を持つことを遅らせる女性が増えている。

            もっとデートを

日本のメディアは毎年、デュレックスの調査結果が出るたびに大騒ぎする。菅直人財務相は1月に、デートの時間を取るため残業を減らすことを財務省職員に促したほどだ。もっとも、あまりこれを重大視してもいけない。もし、性生活の活発さと出生率、経済成長の間に強い相関があるなら、デュレックス調査でいつもトップ付近の地位を占めるギリシャの経済は絶好調なはずだ。

日本株式会社は集団的性差別から脱却しなければならない。そうすれば、女性が経済の中でより大きな役割を担うことができる。

退職者はもう1つの人材の宝庫だ。1945年からの数年内に生まれた日本のベビーブーマーたちが次々と、63歳前後という退職年齢に達している。彼らの退職による人件費低下の効果は今年表れ始め、今後加速するだろう。これは特に、戦後の経済成長を支えた鉄鋼や造船、重機、商社などの業界で顕著となろう。

今こそ、これらの高齢者を、より低い賃金で再雇用すべき時だ。多くの勤労者にとって、長寿の避けられない代償は、長く働き続けなければならないことだ。2008年の暴落で老後資金が大きく目減りした人はなおさらだ。



企業は退職者の知的能力を現役時代に比べ安価で利用できることで、コストを削減できる。

1960年以降の日本の飛ぶ鳥を落とす高成長を支えた成熟産業が、このようなコスト削減効果の恩恵を最も大きく受けるだろう。これらは、積極的なリストラを必要としている業界でもある。効果は予想外の景気の追い風となるかもしれない。

日本の人口構造には高齢化の影響を和らげるクッションが存在するが、それがすべてを解決するわけではない。労働生産性を急速に高めることをしなければ、日本はその高い生活水準を維持できないだろう。中国とインドの台頭や韓国との競争は、日本の将来への直接的な脅威だ。

暗い見通しばかりかもしれない。日本は人的資源が枯渇しつつある。しかし、災い転じて福となる可能性もある。それならば、日本は日没ではなく日の出の国だという議論も、結局は正しいのかもしれない。(ウィリアム・ペセック)

(ウィリアム・ペセック氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)






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最終更新日  2010.04.18 22:19:04


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