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2011.08.05
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カテゴリ: 株式投資
【日本株週間展望】反発へ、政策期待が株安連鎖に歯止め-業績評価 2011/08/05 16:48

8月5日(ブルームバーグ):8月2週(8-12日)の日本株相場は反発する動きを見せそうだ。米国を中心に世界景気の先行き不安は広がっているものの、政策期待が徐々に売り圧力を抑える。日本の企業業績は東日本大震災後のショックから回復しており、それを脅かす存在だった為替の円高進行も、政府・日本銀行の介入でひとまず止まった。

 東海東京調査センターの中井裕幸専務は、介入のタイミング、日銀の追加緩和策も金額が少ない印象を与えてしまうなど、「もう少しマーケットを誘導する配慮が欲しいが、ともかく円高阻止へ政府、日銀は動いた。これで米国待ちになる」と話している。

 8月1週の日経平均株価は前週末比533円(5.4%)安の9299円と、週間下落率は震災発生を受けた3月3週(10%安)以来の大きさを記録した。特に、4日の米ダウ工業株30種平均が500ドル以上下げるなど、世界的な株安連鎖が強まり、5日の日経平均は3月18日以来、約5カ月ぶり安値に沈んだ。

 米国の債務上限引き上げ問題は、土壇場で民主・共和両党の議会指導部が合意。その後上下両院で可決され、債務不履行(デフォルト)のリスクは回避した。しかしISM(供給管理協会)景況指数、個人消費支出など発表される経済統計がことごとく低調。さらに、債務上限引き上げ合意の裏には、今後10年間で2兆4000億ドルの歳出削減の実施も決まっており、将来的な景気の不透明感が助長されている。

            1年前の記憶

 米資産運用会社ブラックロックの金利チーム責任者、ピーター・フィッシャー氏によると、米経済は「失速に非常に近い」という。厳しい政府の財政事情、連邦準備制度理事会(FRB)も2度にわたる金融の量的緩和策でバランスシートは痛み、一段の緩和にはインフレ誘発への批判もつきまとう。景気刺激策のカードは限られるが、「米景気が改善されない場合、金融当局は一度しまい込んだ緊急対応策を再び引っ張り出すことになる」と、同氏はみている。

 8月2週は、米時間9日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催予定。「FRBももう少し統計を見たいとし、今回のFOMCでは具体的内容は出ないだろうが、月末にはバーナンキ議長の講演がある。ちょうど1年前のように、『QE2.5弾』的な内容が示唆される可能性がある」と、東海東京調査センターの中井氏は予想した。

 FRBのバーナンキ議長は2010年8月27日、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれたカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムで、「FOMCは必要と判断されれば、非伝統的手段を通じ追加の金融緩和策を講じる用意がある。景気見通しが著しく悪化した場合には、特にそうだ」と発言。およそ2カ月後、量的緩和第2弾(QE2)に踏み切った。



 米景気の問題に加え、欧州でもイタリア国債の保証率であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドが過去最高を更新したほか、地中海に浮かぶキプロスに金融支援要請の観測が浮上するなど、債務問題沈静化の兆しは依然見えてこない。

 世界の投資家はリスク資産敬遠の方向にあり、米国株オプションの指標で、恐怖指数とも呼ばれるシカゴ・ボラティリティ指数(VIX)は4日、31.66と昨年7月以来の高水準に上昇。ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)のドル建て3カ月物金利と米財務省証券利回りの差であるTEDスプレッドも、5日に昨年8月以来の大きさに拡大した。

 ただ、4日から5日にかけての世界的株安連鎖はパニックの様相を呈しており、政策発動への可能性を探る点からも、第2週にかけては徐々に落ち着きを取り戻すとみられる。

        PBR割安を意識、業績回復力支え

 日経平均、TOPIXが3月の震災直後以来の安値に急落し、東証1部の株価純資産倍率(PBR)など割安度を計る投資指標からは買いを意識する水準になってきた。発表の続く企業決算も回復基調。みずほ証券リサーチ&コンサルティングのまとめでは、4日現在、金融を除く東証1部1193社のうち、時価総額ベースで83%が4-6月決算の発表を終え、12年3月期の経常利益は前期比で事前予想の5.8%減益から4.9%減益へと減益率が縮小。全体の79%は通期計画を据え置くが、上方修正は112社と下方修正の43社より多い。

 モルガン・スタンレーMUFG証券のエグゼクティブ・ディレクター、宗岡功二氏は欧米の債務や経済動向、新興国のインフレ問題と「グローバル面ではきつい状況」ながら、企業の円高抵抗力、サプライチェーン(供給網)の早期回復で秋口には国内総生産(GDP)のV字回復が濃厚であり、「日本株は大きく下がらない」としている。

 経済産業省が1日に公表した震災後の「産業実態緊急調査」によると、製造業のサプライチェーンの現状は、被災した生産拠点の8割が震災前の生産水準に戻っている、または震災前を上回る水準になっていると回答。震災前の水準を下回ると回答した拠点のうち、7割以上が11年内に震災前水準を回復するとした。

           円高にひとまず歯止め

 一時1ドル=76円30銭と震災後の3月17日に付けた円の戦後最高値(76円25銭)に迫り、業績回復軌道の阻害要因になりつつあったドル・円相場についても、4日午前に政府・日銀が3月以来の円売り介入を実施。日銀も同日、株価指数連動型上場投資信託(ETF)など金融資産買い入れ額の増額を含む追加金融緩和策を表明した。

 底流にドルへの不安があるため、介入効果を疑問視する声は多いものの、介入後にいったんは1ドル=80円台までドルが反発した。米商品先物取引委員会(CFTC)によると、国際通貨市場(IMM)で投機筋の円買い越しポジションは昨年9月以来の高水準に膨らんでいるだけに、円買いの向きも当局の動きには警戒せざるを得なくなっている。

【市場関係者の見方】●SMBC日興証券・国際市場分析部の河田剛部長  日経平均は次の節目の9000円程度まで下げる可能性がある。東証1部のPBRは再び約1倍まで下げているが、世界景気の減速懸念を背景としたリスク回避が続く中、バリュエーション上の割安感はあっても効果は薄そうだ。一方、FOMC後、バーナンキFRB議長が追加金融緩和を示唆する発言をした場合、地合いが好転し、日本株も反発が見込める。ただ、バーナンキ氏がFRBのタカ派を説得するには時期尚早であり、追加緩和期待の高まりにはあまり期待できない。



●みずほ証券の瀬川剛エクイティストラテジスト  ヘッジファンドのアンワインド(反対売買)の動きが連鎖を始めたようで、行くところまで行かないと止まらないのではないか。FOMCで米当局がどんなメッセージを出すのか、中国の消費者物価指数(CPI)はどうか、9日のイベントに注目する。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 院去信太郎 Shintaro Inkyo sinkyo@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:東京 大久保義人 Yoshito Okubo okubo1@bloomberg.net香港 Nick Gentle ngentle2@bloomberg.net
更新日時: 2011/08/05 16:48

Bloomberg





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最終更新日  2011.08.05 22:55:47


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