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2005.06.09
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ジャパニーズ・ビジネスの顔であるトヨタ会長奥田氏のコメントが、フィナンシャル・タイムス紙の一面に掲載されています。

アメリカを代表するGMとフォードは業績不振に陥っており、社債は投資不適格とされるジャンク債へと格下げされるまでに至りましたが、そのためにアメリカによる自国産業保護のための報復反撃を食らわされるのではないかと懸念しているようです。GMは、今後4年間で工場勤務人員の1/4にあたる25,000人の解雇をしていくと先日発表しました。

1980年代前半にも、日本車の独り勝ちを食い止めるべくアメリカの自動車メーカーは政府に働きかけ、日本の各メーカーは輸出を抑える約束をさせられました。それからは、こういった問題を防止すべく日本のメーカーは北米に工場を構えてアメリカ国内での生産を拡大していき、またトヨタは昨年の夏にテレビ広告キャンペーンを展開して、アメリカ国内で31,240人の雇用を創出しているのだとアピールして、腫れ物にさわるべく気を使っています。

しかしそんな配慮もむなしくというか、周りに気を使う企業が作るからこそなのか、GMとフォードのアメリカ市場におけるシェアは日本車におされて、1982年の65%から昨年には47%まで落ち込みを見せています。

奥田氏は、“日本の自動車メーカーがアメリカ国内での生産を増やしているので、過去のような貿易摩擦は起こらないだろうというのが多くの人の見解です。しかしそんな単純なものではないのです。”と述べています。“GMとフォードはアメリカの産業のシンボルであり、もし彼らが地におちることがあれば自分達の国の産業は守ろうという感情が強まることはありうるのです。そうなれば国の政策決定に関わってくる問題になるという懸念を私はいつも持っています。”

しかし昨日GMとフォードは、貿易制裁を望んでいるわけではないと発言しています。ワシントンのシンクタンクによると、アメリカの自動車メーカーは貿易制裁ではなく、円とドルの為替レートを気にして政府に働きかけているのだということで、GMも日本政府に対して、円高傾向にある為替への介入をやめるよう繰り返し求めているようです。“世界中の自動車メーカーとの競争は喜んでするが、為替介入という問題は我々にとっては見逃せないことだ。”というのはGMのコメント。

先日ある方から、日本人にやって来る外国人がその社会に入っていくのに苦労するように、よそから京都にやって来て生活をする日本人もまた、社会に溶け込んでいくのにはかなりの労力と時間を要するということをお聞きしました。貿易も同じことかもしれません。自分の国の製品を大量に送り込んでそれで良しとする姿勢はやはり反発を呼ぶだけで、その製品が現地の社会に受け入れられていくよう労力と時間をかけていかなければいけないのかもしれません。欧米から反発を招いている安価な中国製品の大量流入も、単純に総量規制をすればよいということではないのかもしれません。時間と労力を費やして現地で雇用を生み出しアメリカの人々に支持される製品を作り出しているトヨタでも、まだまだ障害があるわけですから実に世界を相手にするということは難しいのだなぁと机上でありながら感じさせられます。










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最終更新日  2012.04.15 05:58:16
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