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-----------------●○--------------------(14歳の少女 茉衣(マイ)のつぶやくようなモノローグ)ベッドの上今日も切っちゃった。昨日は3回切った …貧血で立ち上がれない マイミクのラミちゃんが言ってたっけ 「死ぬために切ってるんじゃない。生きるために切ってるんだ」 うちはなんだろう? 考えたけどやっぱり理由とかわかんない でも毎日切らずにいられない だって、自分の血を見てるとなんか落ち着くし、さ いつかやめられるのかな? やめないとちゃんと恋愛とかできない気がする 今度カウンセリングの先生に聞いてみよう …なんてね ずたずたに切り裂かれた腕を見つめる茉衣(マイ)。意識が遠のいていき、目が白目になる (タイトル挿入)マイ_リストmai's wrist
July 22, 2008
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夜明けが丁度すぎた頃に全ての皮膚が痙攣をはじめた我慢につぐ我慢がもたらしたストレスが体中の毛穴から漏れ出す育ちきった僕の魔王が僕の心と体に最後の攻撃をはじめた新品のタバコを次々とあけだす崩壊しそうな左半身を右半身が必死に押さえ込む僕の弱さが残した最後の引き出しをあける引き出しの奥には13年前に闇から抜き出しきれなかった自分がいる誰にも言えなかった血だらけのナイフと僕の唯一の味方だった緑の薬また もどらなきゃならないのかなホントはもう 終わりにしたかったのだけど気がつくと 目の前にかつて僕だった肉体が横たわっている
July 7, 2008
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運命の歯車がかみ合いそうになると邪魔する0.1mmの黒い幼虫の存在それは3年ほど前から知っていたつかみかけた星は 指の隙間から砂のように さらさらとすべり落ちていく夢のかけらをひろい集め組み立て直しもう二度と輝かない死骸をずっと抱きしめているランド ロンド フーガ永久に続くような 神様のいじめああ もうわかったよ僕に見えない未来などない僕はそう 滅びに向かって1秒づつ歩んでいるだからもう 僕は二度と夢など見ないだからもう 僕は二度と希望など持たない
July 6, 2008
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彩度をあげると色が鮮やかになる彩度をさげると色がモノクロになるジーピーディーゼロナナナナ僕の指先が紫色に変色した頃あなたの暗号が解けたそう火曜日僕は罪を犯したのだ怯えながら判決の日を待つこれじゃあ僕はまるで終末に怯える人類そのものじゃあないか
July 1, 2008
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もし僕が必要以上に君に近寄ったらきっと全部壊れちゃうだから僕は 君が近寄ってきた時は離れるんだよ(1994)
June 17, 2008
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がらんどうの海を歩いて行く僕の手を引くのは 母に似たアンドロイド人魚の骸骨が立ち並ぶ場所 地上50メートルの巨大な噴水まだきっと 帰れる距離だよね戻るなら今だよね だから少し迷うよ思えば 何度も何度も救われたよホントはもう少しだけ もうちょっとだけこのままいっしょにいたかったよだけど 今お別れしないと僕はきっと君の中の少女を破壊してしまう
May 26, 2008
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どんな言葉を使えば 伝わるのかもう わからなくなってしまった言葉がうまくつながらない想いが強すぎて 陳腐な言葉にしたくない
April 18, 2008
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きらびやかな街明かりをあびて僕の悲しみは人ごみの奥深く溶けていくこの眠らない街に住んでいてよかったと思う事がある言葉と言葉の通わない街にいて安心する事がある僕の悲しみと同じくらいの悲しみを過ぎ去るあの子も持っている事を考えてこの巨大な街で育って 助かったと思う事があるだから いつもの黒人ドラマーの街頭パフォーマンスにあわせてなつかしいQueenの曲にあわせてだから今日は知らない誰かと手をふりあげてみた言葉を交わさなくても、同じ事で笑えてよかったと思う事がある
March 7, 2008
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言葉をたくさん重ねても伝えきれない事があったのでキーボードをオルゴールの音色にして虹の彼方へを弾いてみたドロシーの銀の靴を無地のノートに書いてみた童話どおりならこれを3回鳴らすとね不思議な事がおきるんだよ
December 17, 2007
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裁判の時間に早いので門番と少し 話していた僕がどのような態度でのぞめばいい結果が得られるか彼ならきっとヒントをくれると思ったからだ「そうだな赤いものは避けた方がいいかもしれない」赤い血反吐もどす黒くなった頃だったので僕は少しだけ安心しただがもっと重要な事がある僕の体は持つのだろうかこれから7時間近くもある法廷で責められ続け、突然倒れたりはしないだろうか
December 17, 2007
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隣の男がつぶやいた「もうそろそろやめにしようや」僕の手札はキングのスリーカード悪くはないが、勝てる気もしてないやっぱりおりるべきなのかもしれないだけどそれを言うならば何故もっと前に気がつかなかったかだ1枚チェンジでフルハウスを狙うべきだろうが僕は残り少ないチップが惜しかった引き返せないのがわかっていてどうしてゲームを続けたのだろう最悪だ 帰りたい 帰るところなどない
December 17, 2007
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青い乾いた傷口歯を立てたら気を失った気がついたら目の前で5メートルもある双頭の蛇が片方の頭では冷ややかに笑い片方の頭ではあきれている「残念ながらどん底という底はないのだよここなぞ下に比べりゃ天国もいいことさ」立ち上がろうとしても歩き出そうとしてもぬるぬるした岩とどろどろと流れる赤い川ノイジーなハープ永遠に繰り返す残響不協和音が重なるああ これがそうもう僕にも聞こえるよ君が19年間以上も毎日苦しんだラプソディーin奈落
December 10, 2007
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僕が君を泣かした僕が君を引き裂いた僕が君を傷つけた僕が君を壊した僕が君を裏切った僕が君を血だらけにした僕が君を殺した
December 8, 2007
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彼は普段は俺の友達のふりをしている「で、どちらにするか決めたのかい?」俺は彼がこの世のものでない事にうすうす気がついていた。おそらく死の世界のようなものと関係があるのだと思う。俺は頼りなく返事をする。「もう少しだけ考えさせてくれないか…」ハッ!彼は笑いとばす。1.5リットルのペットボトルを直接飲みつくしてからボトルをパキパキとつぶす。右側の目の下の筋肉が大きくピックピク振動する。女性の様な美しい顔立ちの彼だけど台無しだ。俺には今は何も考える事ができないのだ。だから今日のところは帰ってくれないか。俺は本当はそう言いたかった(2007.12.5)
December 5, 2007
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「第一弾!」そういって、山盛りのソーセージやベーコンと山盛りのレタスとトマトとお味噌汁とご飯をテーブルにダンと置いてまるで1週間も飢えていた子猫のように食べ始めた「第二弾!」そういって山盛りのクロワッサンとフレークと牛乳とグレープフルーツほっぺたにケチャップをつけて子供みたいだ。僕は笑う君の食べっぷりに笑うばっかりでちっとも食べられないじゃないかいいよ いいんだからねもう誰も君を邪魔したりしないからたくさん食べていいんだよ(2007.12.5)
December 5, 2007
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ファンタジックな夕日の中でけっして笑わない君の口元が少しだけ微笑んだね昨日の夜もまた何人もヤギの顔をした死神が来たね僕は君のために朝になるまで戦ったってたんだ君が傷だらけになった僕にアリガトウと一言言ってくれるその声を聞きたくてはじめて君の体を抱きしめた小さくて力がなくて少し震えていたね「ガリガリにやせているでしょう?」そう心配そうに僕をみあげただけど僕には光の中から来た天使に見えた君の体には4つの紋章が刻まれていた花と蝶と鎖と大きな竜と君が死んだことをさっき知ったんだよあの時抱きしめた腕を離さなければよかった僕はずるい僕は卑怯者だ自分が傷つくことを恐れて離してしまったんだなのに最後のメールもアリガトウだったね僕はこれから何と戦えばいいのあーたんは一人で寂しくはないの?いっしょにいてあげたほうがいい?答えて?あーたんがそう望むなら僕はそうするよ?お願いだから返事をしてたった一人の部屋で僕は泣き叫んでいるんだよお願いだからもう一度だけ返事をして電話がもてないのならメールでいいからねあーたんが寂しいだろうから新しく買ったピアノも弾いてもいいんだよスイッチ入れたらすぐ音がでるやつ買ったんだよ俺が弾いてあげてもいいよあーたんが好きな曲なんでも弾いてあげるからねあーたんがちゃんと眠れるように眠れるまでずっと(2007 11)
November 30, 2007
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美しい言葉やその容姿を30ページほどめくると嘘と悪意とエゴだけだった胸を切り開いてえぐりだした心臓がヤギの顔にすぐさま変わり叫びだす「信じるモノは救われなナイ信じるモノは救われナイ」88回もそう繰り返した後ケタケタとあざけり笑うだから僕はナイフを抱いて はるか北の地へ向かういつでも自分の心臓を切り刻めるようにだから僕はナイフを抱いて はるか北の地へと向かういつでも君の顔をめった突きにできるように(1986)
November 24, 2007
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ザァ ザザァ(波の音 足跡 貝殻)月の砂浜に疲れた女が座っている。散歩をしていたメガネの男が近づく。メガネの男「やあ いい夜ですね。」ザァ ザザァあきらめた目で振り向く疲れた女。足元にパン。生首が鎖につながれている。ぎょっとするメガネの男。メガネの男「そ、それは鎖につながれた生首ではないですか?」目をふせて、口元を笑う疲れた女疲れた女「はい。わたくしの夫でしたの。」メガネの男「いったいどうなされたと言うのですか」
November 3, 2007
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蒸気とアンモニアの匂いが充満する廊下で、わたしは無数の瓶が並んでいるのを見た。パラシュタイン博士に案内されるまま、気の遠くなるほど同じ風景の繰り返しの中を進む。そして目が慣れてきたわたしは、驚くべく事実に立ちくらみさえ起こしそうになったのだ。無数に並ぶ瓶の中には、それぞれ小さな生き物が動いている!「これは狂気だ…。」思わずつぶやいたわたしに、パラシュタイン博士は無表情で答える。「狂気ではない。この世の中でもっとも優れた生物を生み出しているのだ。のう、ジャムや。」ジャムと呼ばれた瓶の中には、まるで少女の様な小さな生き物が息づいている。「この子こそ、僕らの最高傑作さ」パラシュタイン博士の言葉に助手たちが続く。「生まれながらにしてすべての知識」「知識」「岩をも砕く精神力」「精神力」「でも、この子は瓶の中でしか生きられないけどね。けひひひひひひ。」わたしは何かが間違っている様な気がしてならなかったのだ。(1994)
November 3, 2007
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君は弱い存在だから僕が守ってあげなきゃと思っていただけど失ってから気がつくのは弱い存在は僕の方で君にずっと守られていたのは僕の方なんだね今から自分の体を刃物でずたずたに引き裂いてしまおう二度と再生できないようにもう寂しさだけでこれ以上誰かにすがるのだけはやめよう自分自身が消滅すれば それですむのだから(1987.10)
October 29, 2007
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自己嫌悪が24時間ずっとぐるぐるしてる。解決策はない。忘れたり、元気をだしたりしないといけないとは思う。後悔したって、何も変わらないのだけど後悔しちゃうのだからしょうがないアミたんごめんねごめんね と歩きながらずっとつぶやいている。街中なのにボロボロ涙がこぼれるかといって独りにもなれずに手を差し伸べてくれる人の情に甘えているよく付き合ってくれる友人に救われている。まわりにいる少女たちに僕は救われている。ネットの友達も勇気づけてくれるだからきっと立ち直らないと失礼だとは思う。だけど どうしても思いつめてしまう眠ると包帯だらけのアミたんが夢に出る僕はどうしてあの時もっともっともっとやさしくできなかったのだろうもしも今 もう一度会えたらなんでも望む事をしてあげるでももちろん今言っても遅いのだここで懺悔しても何も帰ってこない血だらけのアミたんの叫び声がまるで耳から離れないんだ
October 22, 2007
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風を見れば 夜の粒明かりの中の 青い影上着を吹き抜ける 知らない人の会話へたりこんで この騒がしい街を見上げれば少しは慰めになるかもしれない逃げ出したい 逃げるところなどない隣に犬の耳をつけた 老婆が座る僕の顔を覗き込んで にたぁと笑う黙っていたって 終末の日は来るだから 僕は4番目の肋骨を一本折り 老婆に渡した「あなたはいい人ですねぇ」と言いながら そそくさと人ごみに消える肋骨を折った痛みで 胸が爆発しそうになるだけど こうすれば 何もかも忘れられるような気がして(2007.10)
October 21, 2007
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私が最後に飛んだ時 それは貴方を守ろうと思った時だ。17本の角を持つ邪神が笑う「我は絶対なり 我は万能なり よって全てを我に」振り下ろされた1メートルほどの爪が私と貴方を繋いでいた運命を引き離した無力に嘆き悲しむ日々が過ぎ 業火にこの身を焼く蝶の群れを見るたびに私は思い出すのだかつて私が空の住人だった事を思い出すのだ(1991)
July 28, 2007
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耳から噴出した闇の粒子がこの部屋を満たしてからもう75日目少女の顔と獣の足と尻尾と蝶の羽を持つ一匹の怪物はいつの間にか僕の隣に座るようになった自分の名はアルタだと名乗ったアルタはたまにミニリーの様な高域で歌とも鳴き声ともつかない音を出すそれはどうやら預言らしい僕なりにそれを解釈するとこうだ破壊されつくした僕の少年の残骸が再び目覚めるまで預言どおりならあと42日その時 アルタと同じ顔の少女があらわれるその少女こそが僕を導くらしいのだ(1984)
July 25, 2007
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KYの死体は 片目がつぶれていた身寄りのないKYだったから僕が死体安置室に呼ばれたのだろうか僕は涙を流したが 悲しかったからではなくてきっとくやしかったからだある時期はとてもKYの才能に嫉妬していて憎らしかっただからずっと 友人のように話せなかった1年前に彼はこう僕に電話した「実は俺は君の才能がうらやましい」なんであの時僕は 「俺も同じふうに考えていた」と伝えなかったのだろう僕はどうして一番大事な事を言えずにいたのだろうもう伝えられない いくら叫んでももう何も伝わらない(1995)
July 22, 2007
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8番目の天使がラッパを吹いたので予言どおり恐怖の大王が空から振ってきた僕の毎日通った巨大都市が壊滅したクロスされた旅客機とビルは十字架を描き 黙示録とは何かを示した煙と灰ばかりの中継の中画面には昔見たことのある猫のお面をかぶって子供たちの前で踊る影10年ぶりに見た君はあの頃と同じ少女のままだったもう会う事も話す事もないのだけど今でもサヤカが大好きだよ僕も何度滅びても 猫のお面をかぶって立ち上がるよ君の夢も僕の夢も まだ終わってない2001 9 21
July 12, 2007
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32粒の 白と青のカプセル一度に飲むと 胃が焼けるようになった眠りたいだけだからね 心配しないでね目覚めたら きっともう芽衣の事は忘れているから小さく鈴がシャンシャンと鳴る音がだんだん大きくなってきた指先からしびれが来て視界が虹色に満たされる悲しみや苦しみは 琥珀の運河に溶けていくここにいるのは 僕だけこの宇宙にいるのは 僕ひとり(1988)
June 27, 2007
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さっき大久保の素敵なおばさんに 興味深い事を聞いた本当に死ぬ前には 死神があらわれるよ死神の姿は 怖くない死する者がもっとも理想とする姿で現れるよ僕の死神は たぶん不思議の国のアリス時間がありませんのよ。いっしょにまいりましょうとやさしく死の国へ誘うのかもしれない(1987)*この文を20年前に書いていたのは驚いたっす。稚拙すぎるので、発表してなかったけど、現在の日記の現実とかぶってドキっとしたっす。このサイトへの著注は自分ルールでやめてたんっすけど、これだけ特別。
June 25, 2007
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アイラは話を続けた「私はどうしても、他人に自分の本音を話せない」「それで、その精神科の先生が言うには、本音なんて出さなくていいのですよ。カリメロって知ってますか?」「ああ。殻をかぶったヒヨコのアニメね。昔やってたね。」「うん。カリメロになりなさいって言うのよ」「どうゆうこと?」「だから、人前ではずっと殻をかぶって生きなさいって言うんだよね。それで、家に帰ったら、その殻をとってもいいって。」「殻ね。自分を偽って生きろって事?」「うん。だけどアイラはまだ、殻をかぶるのが苦手でね。それを一番理解してくれたのが今の彼でね…。会った時は本当に好きになれそうだったな~」アイラは少し涙ぐんだ。いつもは面倒なアイラの長話も今はとても安らぐ。それから3時間以上も、その彼の最近の暴力行為について聞かされた。僕はずっと、自分が卵の殻をかぶっている姿について考えながら、あいづちを打っていた。(2007)
June 19, 2007
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さよならみなさん もう駄目です僕はもう人と関わるのは ごめんですさよならみなさん もう終わりです僕はもう生きているのは ごめんですみんな一人ぼっちなのは わかってますきっと僕が 弱かったのでしょうもう底の底まで知っていると思ってたのにさらに下があるとは思わなかったです今まで経験した 全ての悲しい事が弾丸になって 心臓をえぐり続けます紫色の帝国から 大砲の音が聞こえ続けます無数のロンドン兵が ぴすとるをばんばん鳴らしますみんなケタケタ笑ってますもう誰の事も信じません誰の事も好きになりませんだからもう撃つのをやめてくださいケタケタ笑うのはもうよしてください(1986)
June 14, 2007
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喜びや怒りや悲しみも感じずどんな小さな希望も 信じずどんなささいな夢も もたず全ての物語に感動せず全ての人に深く関わらずそんな鉄くずのような人に僕はなりたいそうなれれば、もう涙など出ない(1985)
June 11, 2007
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8年前に日本を離れたリンダ=リンダ11歳年上のソプラノ歌手。突然帰国した彼女は、3倍くらいに太っていた。顔も言葉もすっかり日本人じゃなかった。心と体の傷から流れたおびただしい量の血が、付着した僕の部屋を見てリンダ=リンダは叫んだ。「あなた、いったい何があったの?」僕は、毎日自殺未遂を繰り返している事を話した。「あなた、そんなに、その子が好きなら、格好つけなさいよ。誰よりもプライドの高いあなたなら、その子の幸せを祈って、黙って去りなさい。そして、その子の最高の思い出になってあげればいいじゃない。」あまりにもシンプルな助言は複雑な事を考えすぎて、何も考えられなくなった僕の脳に響いた。「そうだね。すごくわかりやすい。わかった。そうする。」僕は子供のように素直になった。リンダ=リンダは日本の音楽事情にうとかったので、ブルハもヒロトも知らない。だけど、リンダリンダを聞かせてあげたら、即席で、ものすごいハイレベルなハモりを入れてきた。ハイレベルすぎて、僕はいっしょに歌えなかったけどブロードウェイの劇場で、最前列にいるみたいだった。歌が終わってリンダ=リンダが言った。「さっきの言葉ね。8年前、夫に捨てられて泣いている私にまだ少年だったあなたが言ってくれた言葉なんだよ?だから私は泣くのをやめて、日本を離れたんだよ。思い出した?」そんな事があった事はまったく思い出せなかった。だけど、僕がプライドだけは誰よりも高いという事だけは思い出した。とりあえず、涙も血も止まったと思う(1986)
June 10, 2007
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僕とヒロは大きな街で生まれたので、今も大きな街にいる。実は、いろいろ積み重なってヒロの心の奥には深い傷がある。たぶん僕が一番よく知っていると思う。別に無理して明るくしているわけじゃないのだけどヒロはいつも笑顔でいる。僕はその笑顔が大好きなのだ。この街では人と人の心が簡単に触れ合ったりしない。誰もが心に巨大な壁を持っている。みんな寂しいのに みんな我慢している。それはわかっている。僕とヒロはキスもできないのだけど今日、僕は勇気を出してヒロの手をとった。ヒロは驚きもせず握り返してきた。がんばれ俺がついてると伝えるつもりだったのにがんばれヒロがついてると伝わってきた。実は、いろいろ積み重なって僕の心の奥には深い傷がある。たぶんヒロが一番よく知っていると思う。だけど無理してでも僕とヒロはいつも笑顔でいる。僕らは大きな街で生まれたので、お互いの心をこうやって大きな街で治療しあうのだと思う。(1986)
June 9, 2007
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ヤギの面をかぶった裁判官が叫ぶ「弁護側、最終弁論をどうぞ」カンカン所謂弁護しようもない俺の所業それでも、ルールだから仕方なく弁護を引き受けた黒ぶち眼鏡の男はなんとも 気だるそうに話始める「特に… ありません…」あまりの救いのなさに俺はその場に血を吐いたそれでも判決がおりてくれればいいのに死刑なら死刑 無期懲役ならそれでかまわないヤギはとたんにニヤニヤし始めるだけそして事もあろうにあくびをひとつしてむしゃむしゃと、裁判記録を食べ始めた狂ってる この裁判は狂ってる(1986)
June 8, 2007
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どうやったって眠れるわけもない 死のう 今すぐ死のう ゴミより役に立たない 俺が死んでも 何の影響もないことは はっきりした だけどくやしい くやしすぎて嫌気がさすちくしょう次から次へとひでぇ事しやがって俺だって心があんだぞ物じゃねーんだぞあいつなんかに関わるんじゃなかったなんであんな奴がのうのうと生きているんだぶっ殺してぇぇそうだ自分が死ぬ前に今からあいつをぶっ殺してから死のうかミンチより細かい肉塊になるまで切り刻もうそうだそうしよう 今すぐ向かおう(1983)
June 7, 2007
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消灯時間に眠れるわけもない長い長い絶望との恐怖の時間が始まる暗い病室の天井を 見つめるとむなしさに 涙があふれる死ぬのも 一人ぼっちも怖くはない(と思う)僕の存在が 何の役にも立ってない事が悲しい僕が存在する理由が これっぽっちも見つからないのが悲しいこれは長い長い夢なのか僕の体は幻の一部なのかいつか目覚めるのかそれともただ塵のように消え去るのか(1983)
June 7, 2007
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その引き出しを 絶対に開けないと約束した苦しくて 苦しくて 開けてしまった緑の薬の封を3年ぶりに切る噂の虹の彼方へ行けるやつだオーバーザレインボウオーバーザスカイルーシーはダイアモンドの空に地獄を這いずりまわる無数の虫が腕や足に絡みつくもう錆びてしまったナイフが僕の少年を切り刻む吹き上がる鮮やかな血液が僕の羽をびしょびしょに湿らせていくもう飛べない 僕はもうきっと立ち上がれない誰も見えない 何も聞こえない(1983)
June 6, 2007
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星空のマリアは 閉じきった僕の扉を突然ノックした星空のマリアは 大きな瞳を パチパチさせながら星空のマリアは 体中に刻まれた 美しい青い模様を自慢げに見せながら くるりと回ったあっけにとられて 立ち尽くす僕を抱きしめて星空のマリアは 氷のように熱い キスをした(年号不明)
May 30, 2007
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俺の拷問みたいな人生に突然現れた少女の君を見て俺は本物の天使かと思ったよきっと神様が俺の事をかわいそうに思って天界から使わせてくれたのかと思った俺はこんな事が自分の人生に起こるなんて思ってなかったその日全ての出来事に感謝した初めて自分が生まれてきた事に感謝したいつか失う時が来ても 黙って天に還そうと思っていたその気持ちをたった今思い出したよだからもう引き止めたりしないから(1986)
May 27, 2007
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僕の体には数種類の悪魔がいるトゲトゲしたのがいるアオアオしたのやゴリゴリしたのやギザギザしたのがいる(1986)
May 27, 2007
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絵本の世界を抜け出して手をつないで 走ってきた二人はじめての街歩いてたらいつのまにか 夜の視線を感じて 気がついたら 絵本が閉じそうであわててあなたを 見ると「いいじゃないかと」笑ってるそうね 物語ならまたつくればいい二人 ダンス 夜歩けばそのステップが新しいストーリーPassion in blues もっと楽しいPassion in blues もっと激しい朝日が昇る頃 本を開けば新しい二人がきっといるよ自分で詩を 書いていて 気がつくと 泣いていたの初めての恋に 気が気じゃなくて いつのまにか 二人で走ってきて振り返ったら 足跡消えそうであわててあなたに しがみついて「離れたくない」って泣いたわそうね 次の恋より今を大切にしたいポケットの中の赤いサイドカー隣町へ続く秘密のハイウェイPassion in blues 怖いけれどPassion in blues 勇気を出してそこから始まる素敵な物語二人が唄う時計のメロディー(1984)作詞(花山+俺)作曲演奏 俺歌 よしぼうカセット音源(音質 演奏最悪注意)
October 12, 2006
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ああ なんだって俺はああ なんだってこんな何度も何度もこれじゃいけないって俺だって思っていたさどこかでやり直せるとも思ってただけどとっくに猛毒が全身を回っていたんだね血の色のバスの運転手が手を差し出した「230円になります」これから永遠の地獄に堕ちるのに運賃をとるのかよ笑えるぜ(1988)
August 1, 2006
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ライライライ口から吐き出した 無数の小人やさしかった母親を 串刺しにした双子狂った偽りの救世主 死んだ目で祈る従者たち耳と鼻をそがれ、目をつぶされた天使救いを求めてまだ続けるの救いなどどこにもないライライ夜空に星など どこにもないそれでもまだ続けなきゃならないの(1987)
July 6, 2006
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逃げ出そう 逃げ出そう全ての不安から 逃げ出そう自分の失敗を知っている人や好きな人からも けっして見つからないそんな隠れた土地にいこう今より遥かに 深い闇にもぐろう名前を変えて 言葉を変えて夢も見ずに 野望も持たず毎日おびえて 毎日震えて(1982)
June 3, 2006
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散らばった希望を 全部拾い集めても21角形の絶望にしかならなかったでも気にもとめていなかったいびつな小さな 残ったかけらは少しだけ 希望に似ていた僕は思わず "ハレルヤ"とつぶやいた(1986)
May 24, 2006
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悲しいから つくり笑いをしよう苦しいから 元気なふりをしよう3歩先にしゃがみこんだナイトメア闇に君臨する 8メートルの馬の王君に聞きたい事がある自分を消してしまう方法だ「誰の事も愛さなければいい」漆黒の馬は 馬鹿にしたような笑みを浮かべて走り去る(1986)
May 21, 2006
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1981
May 17, 2006
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僕の手と君の手をからめたら全ての不安や恐怖は 一瞬で消えていった「そこにとどまれるわけはないじゃないか」右から2番目の闇から 聞きなれた声がするだめだ 今振り返ったら駄目だ今、振り返ったら 君は塩の柱になっちまうお願いだよ 僕を見てて もう少しだけでいいから(1991)
April 30, 2006
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奥歯にしまった緑の薬が 溶け出す頃景色はもう ふわふわ ふらふら叫んだり 壊してみたり 体を傷つけてみたりだけど どうしても あなたの声が聞こえてしまうだけど どうしても あなたのあけた穴が埋まらない(1982)
April 25, 2006
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近いうち 僕は失うまたあの恐怖の夜が待っている何度も抜け出してたのに深い闇の鏡は僕を許さない僕と同じ顔の悪魔がにやりと笑う怖い 怖い 怖いんだ(1985)
April 9, 2006
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