人生は10段変速の自転車みたいなもの

人生は10段変速の自転車みたいなもの

2012/05/12
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カテゴリ: 読書

4月に村上春樹さんの1Q84が文庫本になりました。予約をしていたBook1(前編、後編)セットがメール便で届きました。ストーリーの展開はいつも通り。村上流の2話同時進行、実は1つの話構成です。

<<注意>> ネタバレを意識すると何も書けないので、
       いつも通りにネタバレですのでご注意ください。


1つは「青豆」というスポーツインストラクターをする女性暗殺者が主人公の話。もう1つは「天吾」という直木賞受賞小説のゴーストライターをする小説家志望の数学教師の話。2人とも小学校時代は休みの日は親に手を引かれて、青豆は宗教団体の勧誘に、天吾はNHKの集金に明け暮れた身の上で同級生であったことが読み進めてゆくと分かります。似たような境遇であり、お互い好意を持っていましたが、特に話を交わしたこともなく卒業後の接点もありませんでした。

大人になり青豆は親友をDVで亡くした復しゅうとして、その夫を完全な手口で殺害する。その後、インストラクターのかたわら、個人レッスンをしていた資産家の老婦人に手を貸し、法律的手段で解決できない暴力的行為から女性を保護する活動をするようになる。この老婦人は非合法的手段に訴える時も、正しいことをしているとの信念を持っている。青豆は親友の復讐をした日から、昨日までの自分のいた世界と違いがあることに気付く。1984年の同日でありながら、そこは普通に月が2つ空にある1Q84年である。

一方、天吾の方は「ふかえり」と言う名のディスレクシア(読字障害)を持つ17歳の美少女の「空気さなぎ」という小説のゴーストライターを務めることになり、直木賞を受賞する。ふかえりはオウム真理教を連想させるカルト集団で少女期を過ごし、父親はふかえりを親友の文化人類学者に託し、その後集団での両親の所在は分からない。この集団は当初ふかえりの父親が興した平和な農業コミューン「さきがけ」であったが、ふかえりの脱出時には外部から遮断された宗教法人化していた。

ふかえりはこの集団での出来事を元にリトルピープルと呼ぶ何者かが作る「空気さなぎ」の話の原作を口述した。彼女には小説を書こうという意識は全くなく、今後も小説などに関わる気持ちは無い。しかし、「空気さなぎ」と「リトルピープル」が何を意味しているのかが、私を含め読者を悩ませる。

Book1では、青豆が老婦人の活動を通して「さきがけ」に関わることになり、天吾はふかえり絡みで「さきがけ」に関わる可能性が出て来て、Book2以降で青豆と天吾の接点が暗示されたところで終わる。さてその先は!


これまで、村上春樹の長編はいろいろ読みましたし、自称村上春樹ファンですから1Q84は実質的に「海辺のカフカ」以降久々の長編でしたので当時発刊を楽しみにしてました。しかし、予約が殺到しており誰も彼もがというようなトレンド的な側面さえ感じられ、予約さえせずに今回文庫になったタイミングで読みました。もう1つ飛びつかなかった理由は書評などから、オーム真理教関連のノンフィクション「アンダーグラウンド」などの作品の影響が頭をよぎり、長編で言えば「風の歌を聴け」から「ねじまき鳥クロニクル」までの間に徐々に変わってきているものの、私の抱く村上ワールドが損なわれているのではないかという不安がありました。

Book1の率直な感想としては、半分は前述の不安が当たって入るような気がしますがBook3まで読まないと何とも言えませんね。先入観もあるのですが、舞台があまりにも現実的なのでやはり違和感を感じました。「さきがけ」は直ぐにオーム真理教に結びつき、地名もすべて東京及び近郊の実在のものです。村上さんのインタビューなどで最近出てくるように「囲い込み」が知らず知らずの内に現実世界で起こっているのだと言う警告がテーマなのでしょうか。そのために、現実感を持たせるために実名の駅、お店、NHKなど組織の名称を意識的に使用しているのでしょうか。「ねじまき鳥クロニクル」ではノモンハン事件がテーマの中に取り込まれていますし、「ハードボイルドワンダーランド」では都営地下鉄網が出てきて、「海辺のカフカ」でも東京の中野区と四国の高松が具体的な舞台となっておりますが、それらのかかわり以上に実在カルト集団の背景が色濃いです。

それと、これまでも村上ワールドの主人公は音楽、読書に造詣が深く料理上手で、何故かガールフレンドとのセックスに不自由しないというモテたことの無い私とは大違いの人物でしたが、1Q84では必要以上に性描写が出てきて、その場面は食傷気味という感じです。特に天吾の年上のガールフレンドは。。。

何れにしても先が気になり、次のBook2(前編、後編)も予約分が届いていますのでつづきを読み始めます。

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Last updated  2012/05/13 01:22:26 AM
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Re:『1Q84 Book1』(前編、後編) --- 村上春樹著(05/12)  
RaiZZieN  さん
いつも通り、お詳しい解説。すばらしい。私の場合、「風の歌を聴け」をやっと1回読んだんですが、途中、期間が空いたりして、内容が十分把握できていない感じで、まだ、感想を書けそうな状況にありません。読んですぐにこんなに書けるなんてうらやましすぎます。私は、あと3回くらい「風の歌を聴け」を読まないとダメそうです。トホホ。2話同時進行というのが村上さん流なんですね!解説を読ませていただきますと、1Q84は、さらに、複雑そうな感じ・・・ですね。「風の歌を聴け」の感想が書けるようになったら、チャレンジしてみたいと思います。Book2の感想楽しみにしていま~す。 (2012/05/13 08:55:15 PM)

Re[1]:『1Q84 Book1』(前編、後編) --- 村上春樹著(05/12)  
jay gatsby  さん
RaiZZieNさん
こんばんは!いつもありがとうございます。
纏まりの無い文面を読んでいただき感謝感謝ですm(。。)m
小説、映画そして音楽。どれもそれぞれの人がどう感じるかが大切であり、それも作品ごとに1つの見解があるものでは無いと思います。ですから、私は私なりの率直な感想を思いつくままに書いてます。自分の覚書としての要素が強いかとも思います。音楽にたとえれば、私も70年代までのJAZZやボブ・ディランについて語れても、最近のロック、ヘビメタは知人に解説してもらっても分からない。。。でもいつか心に響く日が来るかもしれない。芸術とはそう言うものではないでしょうか。
「風の歌を聴け」も芥川賞候補にノミネートされ大きく意見が分かれて受賞をのがした作品です。超一流といわれるプロの目から見てもそんなものです。まして我々素人は素直に良いか悪いか(好きか嫌いか)を感じればよいと思います。
(2012/05/13 11:14:21 PM)

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