オルテンシア*Ortensia*
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古本屋で目について買ってしまった本傷つけ合う家族数々の困難を乗り越え、自分の中の怒りと立ち向かい、自分自身を取り戻し、ほんとうの幸せというものを感じて生きるようになった勇気ある女性の真実の物語です。あらゆる暴力が強者から弱者へと「人間の支配欲」のゆがんだ姿として現れる。子供への暴力は人類にとってもっとも醜い行為であり、重い犯罪であるにもかかわらず、いかに隠蔽されているか・・・(隠蔽というより誰もが気づかない、または、見て見ぬふりという社会)被害者が子供、加害者が親という犯罪ゆえに、救いようのない子供の心は切り離されて、自分自身として、あるがままの姿として生きていけなくなるという苦しさ・・・真実の物語が心を圧倒してくる。子供の心は破壊され、心は殺されている。しかし、そこに犯罪の存在を認めるものはいない。目に見えない恐怖を抱えて生きていく子供がどうやって自分自身を救い出していくのかが書き綴られている。私の尊敬するアリスミラーさんは虐待を受けて育った子が、後に犯罪者や精神病者になるかならないかは、最低1人は子供の側に立って、はっきり間違っているのが大人のほうで、子供に責任はないと気づかせてくれる証人がいるかいないかにかかっていると書いていた。この物語にも、何人か彼女に味方する証人が現れている。しかし、不幸にもそんな証人に合うことなく生きている人たちもいるのだろう。毎日の犯罪のニュースを見て悲しく思う。彼女自身が今その重要性に気づいて、子供の側に立つ証人となって活動をされているようだ。何よりも、被害者自身が声を上げ、不正に立ち向かわなければ自分自身を奪い返せないということを強く感じた。大人になっても自分さえ守れない人生に幸せはやってこない。彼女の強いメッセージと励ましに心打たれた。
2007.10.03
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