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2007.08.01
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カテゴリ: 物語
オッサンは懐から名刺を出してオレに手渡してきた。オッサンは中島孝信というらしい。全国的ではないが大阪のキタでは割りと名の通ったアッチ系ではないコッチ系の(なんのこっちゃ?)まともな消費者金融の経営者。だが、娘のアサミ(後で亜沙巳と書くとわかったが)は、その仕事を嫌っているそうだ。

「おととい、やっとマンションの前で娘つかまえて怒ったんや。こんな時間までどこほっつき歩いてたんやって。」
「それ、まともな親の反応やと思いますけど。」
ところが娘に、説教するんやったらもうちょっとまともな金もうけしてからにしてと、睨みかえされたのだと。なかなか手厳しいねえ、アサミちゃん。
「そら、強烈ですね。」とユリがあいづちをうつ。
オッサンは、やに下がったがこっちはアサミに興味がわいてきた。

「とにかく、名義人のことでもありますし、昌子さんのこともお話したいので、娘さんとは一度お会いします」


で、ゴミとユリがベースに来る日を選らんで、彼女を張り込むことにした。その結果がこうして、雨中の天神参りになったという訳。赤い傘が動く。彼女だ。造幣局の方へと動いていく。こうなるとまず見失わないので、安心だ。ゆとりができて大川を見やると、釣竿を垂れているじいさんと目が合う。鯉ねらいだが、まあ飽きもせずよくやるよと思うと、向こうもこっちをそういう眼で見ている。錆色の水面に水輪が沢山広がる。雨足が強まった。どこか建物に入ってくれるとありがたいなあと思うと、それが通じたかのように、洒落たランプが目立つ喫茶店に彼女は入っていった。

さて、鬼が出るか蛇が出るか。入り口で少し逡巡したが、迷ったときは前向きに、がモットーのオレだ。行きましょうと意を決して、店に入る。






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Last updated  2007.08.01 23:25:05
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