坂東市進学塾 スタディ・ポート 港日記

坂東市進学塾 スタディ・ポート 港日記

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2021.03.13
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東大を出たからといって、家庭や健康といったプライベートに関してはいうまでもなく、地位や収入といった点についても十分に恵まれた人生になるかどうかわからないということは前後左右の席を東大の人たちに囲まれて仕事をしていたのでよく知っています。

近年の「東大よりも医学部」という空気もよく理解できます。

また東大理系の人たちであっても就職先として理系の研究機関よりも「投資銀行」や「コンサルティングファーム」に進んで若い頃から一儲けを企むというのもよく理解できます。(日本の技術力の衰退の大きな要因はこれだと思っています。)

とはいえ、東大合格者数というのはその県の学力を反映する一つの指標ではあると思います。

ということで過去の茨城県の東大合格者数の推移を見てみたいと思います。

今年はまだ最終集計が済んでいませんので昨年までの4年間でみると県全体で55名→57名→45名→58名と「なんとか今年は50名を上回れるか」という数となっています。

全盛期は1997年とその前後ということになるでしょうか。現在の40歳過ぎくらいの人たちの年代です。

漫画家(エッセイスト、相撲評論家)の能町みね子さん(牛久一中〜土浦一高〜東大)の世代です。

1997年は茨城県全体で90名を記録しています。


自分の高校時代の感覚としては「東大といえば水戸が12、3名、土浦が7、8名、あとは各地の一高がポツリポツリ」というイメージだったので大井川知事が水戸一高を卒業された1983年を調べてみると県全体で25名です。
水戸一高12名、土浦一高9名、清真2名、下妻一高1名、古河三高1名。

私の母校である下妻一高の全盛期というのは現在の80歳を過ぎたくらいの世代、現在の中学生からすればお祖父ちゃんよりも上の世代です。

たとえば1956年(昭和31年)。
県全体29名。
水戸一高13名、土浦一高4名、下妻一高4名、日立一高1名、太田一高1名、水海道一高1名、境高1名、麻生高1名、古河一高1名、鹿島高1名、真壁高1名。

続く1957年(昭和32年)。
県全体27名。
水戸一高15名、下妻一高4名、水海道一高3名、土浦一高1名、日立一高1名、太田一高1名、鉾田一高1名、境高1名。

このあたりの年は連続して3名から4名の東大合格者を出しています。

1897年(明治30年)の創立以来、さほど人口の多くないところで、人材が中央に吸い上げられてしまうことが続けば「枯渇やむなし」ともいえるでしょうか。



1980年あたりまでは県都水戸の首位は不動であとは旧制中学系の高校から何名かというところです。

新興住民の方には水海道一、太田一、鉾田一、このあたりがなぜ中高一貫を併設しようとするのか疑問の方もいるかと思いますが地域おこしとして「夢よもう一度!」のような面もあるのだと思います。

もう一つだけ当地区のことをつけ加えておくと、1976年は県全体で合格者数が22名。
水戸一高14名、土浦一高3名、茨城高校3名、古河三高3名。

古河三高3名!。何年か前の古河三高の学校紹介では「東大の副学長も古河三高出身です。」というのが強調されていました。



しかし、国立大学合格者が0に近いところまで落ち込み、そこから10年近くかけて懸命な回復運動が行われ、旧帝大を含め、進学実績がかなり回復しました。2007年には京大に合格者が出ていますがこの年は東工大や東北大も合格していたと思います。

私の塾あたりまで塾の授業終わりを待って夜の10時頃に校長先生自ら訪問してくださったこともあります。学校回復の過程はベネッセでも大きく取り上げられました。

まさにこれからという、ちょうどそんなときに古河中等の設置が決定しました。古河中等は旧総和高校の継続校です。そのニュースを聞いたときには「あの人たちの努力はなんだったんだろう?」と思ったものです。

古河中等の進学実績をみると上位数名に限っては素晴らしいものがあります。しかし、これに続く層(旧帝大・筑波大)が奮いません。

うちの塾の2年生も県偏差値70、71、72、実力テストで470、480といった「受ければ楽に受かったであろう」、「古河中等でも確実に上位を形成したであろう」人たちが「様子見」なのか受験していません。

古河中等の初期の生徒は下妻一高地区だけでなく下館一高地区からも通っています。

下館一高、下妻一高、水海道一高それぞれが付属中学を相次いで創設する中にあって過疎地域の120名の単独一貫校、何十年前の歴史は繰り返すのかに注目しています。

並木中等を作って県南の私立中の力を削ごうという企てはある程度成功した(その分県外流出しただけ)といえると思いますが、それを過疎地県西で公立同士でやってどうするんだ?という疑問は拭えません。

古河中等も「政治」が深く関わった設置でしたが、時を経ずしてその上にさらに「政治」が覆い被さるという一貫性のなさには呆れています。

仕組みをあれこれいじるよりも教員の働きやすさや待遇を改善し優秀な人を確保し県全域で学力アップを図る方がずっとたいせつだと思いますよ。

今年の水戸一高の東大合格者23名(現役20名)というのをみると「まだまだ茨城、やればできるじゃん」というのを感じました。





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最終更新日  2021.03.14 08:18:30
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