Hourglass

January 11, 2006
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類







「なんでいつもこうなるんだろう。」
ふと肌に生暖かい感覚を覚えた。雨だ。雨が降ってきた。
次第に雨は強さを増し視界を余計に暗くする。空を見上げてもこの強い雨のせいで表情を見ることはできなかった。
ねぇ、あなたは孤独ではないの。
激しい頭痛に襲われた。そして痛みに耐えているうちに意識が遠のいていった。
見渡す限りの黒い空空空。降りつくす重い雨雨雨。
空は影を消す。雨は気配を消す。

光が差し込んだ。ほんのわずか。
「ここは・・・・?」

足音が響いた。だんだん近づいてくる。
「目・・覚めたか、彼女。」
「な、なに?ココ。あなたは一体・・。」
「ああ、悪い悪い。俺は紫音。紫の音で紫音。なかなかキザな名前だろう。どこで彼女アンタは?」
「アタシ?アタシは・・・・アタシ。」
「そうじゃなくて、名前だよ、な・ま・え。」
「名前・・・?わからない。」
「わからないって、冗談きついよ?彼女。」
「じゃあ、あなたは知らないの?紫音サン。知っててアタシに近づいたんじゃないの?」
「知るわけないだろう。」
「どうでも良いけどね。でも名前はもちろん自分のことは何もわからない。でも、いいのよ。名前や生年月日、血液型なんて。名前なんてなくったってアタシはアタシだし、こうして生きていれば年はとるし、血液がなんてわからなくてもアタシの中に流れている血が証明してくれるから。だからアタシにとってはさほど問題じゃない。」

「どうぞ・・・。」
「アンタは、性別は女。んで記憶喪失。見たところ三並高校の生徒、年齢は・・・。」
「17。高2。」
「覚えてるじゃん。」
「これだけね。」

「特には。好きに呼べば良いよ。」


だってアタシがアタシであることに変わりはないでしょ?




















お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  January 11, 2006 09:07:11 PM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: