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ところで、この、アメリカ合州国という巨大なカルト教団じみた国家は、常に刺激と娯楽を求める我々の心の間隙を、カメラ映えする瓦礫、他国の救助隊や国連軍を画面の外に追い遣ってまで撮影された米兵たちによる勇敢な活躍を描くドラマ、甘美なヒロイズムとより深い感動を与えるストーリー、まやかしの正義と臆面もない偽善、等々でもってじつに巧みに埋める術を官民総力をあげて開発しているようです。外国人である我々の意識構造でさえも合州国の存続にとって最も都合の良い形に整形し、肥大化させようと、ありとあらゆる機会を捉えてアプローチしてきます。昔、ワシントン特別区から川を渡ったアーリントンで、兵士たちによって摺鉢山にまさに掲げられんとする星条旗のモニュメントを見たとき、殺された側の日本人であるにも拘らず、不覚にも感動してしまいました。そんな自分に戸惑い、呆れ、観光客ならぬ観客であった自分に気づき、この国は国民に対して合州国民であると言う満足感や感動を与え続けるため、常に戦争していなければならないのではないか、国全体が中毒にかかっている、まるでギアツが描いた劇場国家の超拡大版ではないか、全世界の市民をも巻き込んだ視聴者参加型番組を放映し続けている、と、そのときは合州国がまき散らすとんでもない害毒にまでは考えが及ばず、ただ、妙に感心してしまったことを思い出します。
最新鋭のハイテク兵器で武装したスーパー・ヒーローによるスーパー・パワーの行使、しかも相手はいつも、強大な合州国とは比較にならないほど矮小な国力しか持たない弱小国で、兵力といえばまともな武器さえ持っていない『農民』『行商人』『学生』ですらあるのですから負けることは許されません。記憶違いでなければ確かデモクラシー・ナウで放送されたと思いますが、ソマリアの漁師さんたち有志によって結成された沿岸警備自警団が自国沖で繰り広げられる欧州の漁船団による大量密漁や放射性廃棄物等海洋汚染物質の不法投棄を監視し、どの国の沿岸警備隊でも実施している領海侵犯に対する臨検、逮捕・拘束、罰金の科料をしたところ、海賊行為だと騒ぎ立てられ、多国籍海軍で編成された大艦隊まで展開されている。もちろん弱い者苛めに関しては(じつのところ不様に負け続けているものの糊塗された)数々の実績を誇り、日々そのノウハウ改良に余念のないスーパーパワーの合州国による肝いりで艦隊編成です。もう、怒るどころか呆れるを通り越してしまいました。大国どもは一体全体この世界をどうしたいのやら。もしかして、世界中を資源マフィアや金融資本という貪欲な強者のためだけに『解放』して、人類が長年月かけて築き上げた『文明社会』や『文化的生活』を破壊し、自らが頂上に立つことを前提に、弱肉強食のきわめて野蛮な原始自由主義社会(リバタリアニズムや自由至上主義などというお洒落な言い方が流行っているようですが、私は『原始自由主義』と勝手に名づけています)を実現したいのでしょうか。
引用、おわり
「私の闇の奥」様 の「ハイチとは我々にとって何か」シリーズのその5に寄せられたコメントを、引用させていただきました。
アメリカが中南米に対してとる植民地政策は、日本にも、大枠で当てはまるように思います。