日常の小さな幸せ

ご利用は計画的に。


「ご利用は計画的に。」 2005年10月19日の日記 より



私は大学卒業後、新卒として某サラ金大手に就職しました。

そこは少し前まで、週刊誌等によく出てきた会社です。

前会長のワンマン経営や、

銀色のレオタードのテレビCMで、

有名な会社ですね。

ちなみに、盗聴事件については、私のような下っ端社員には、

全くわかりません。



私が大学を卒業したのは、1995年。

大学2年生の頃にはバブルは終わり、

就職氷河期真っ只中の就職活動となりました。


三流大学で、これといったセールスポイントがない私。

当たり前の就職活動をしても無理だと思い、

最初からサラ金業界に絞って就職活動をしました。


何しろ、サラリーが良いのです。

この不景気なご時世、

大したとりえも無い私のような新卒女子が、

すぐに年収400万円以上ももらえるところは、

この業界くらいだろう、という事で狙いを定めました。


そして、私のお金に対する素直な気持ちに反応してくれたのか、

単にいつも人手不足だったのか(恐らく両方)。

どういう理由にしろ、この会社が、

大学4年生の初夏には、私に内定を出してくれたのでした。


いろいろな意味で大変な会社でしたが、2年間お世話になりました。



会社内での常識:


会長のお写真に向かって、毎朝、毎晩、頭を下げて、挨拶。

「会長、今日も一日、よろしくお願いいたします!」

「会長、今日も一日、ありがとうございました!」大きな声で!


ボーナスが出れば、会長にお礼のお手紙。

「会長、どうもありがとうございました。

これからも、がんばります!」きれいな字で!


朝は7時半から、駅前で、店長も一緒にティッシュ配布。

「おはようございます!いってらっしゃいませ!」元気良く!



新卒研修は群馬県嬬恋でした。

朝はジョギング、

昼はティッシュの配り方を学び、

会長のお言葉を暗記します。(洗脳?笑)


店長は、部下やパートさんの手前、

一番大きな声で、一番丁寧に、ティッシュを配布します。


ちなみに、一般女性社員の胸のリボンは赤ですが、管理職は黒です。

女性店長も、たくさんいます。

えー、と驚くくらい若くて、かわいい店長もいます。

今度、胸元のリボンに注目してみてくださいね。

高卒で3年で店長になった女の子もいましたから。


そこにも、惹かれました。

運と努力で、2,3年で店長にもなれる!

そうすれば、年収一千万も夢ではない!

と、いう事で、街中でティッシュを撒きまくりました。


お金を貸して、貸して、貸し付けて。

「返してくださーい」と電話先で泣いてみたりして。

時には、恐いお客さん相手に、本当に泣きたくなったりして。



この会社内では、「下克上」がありました。しかも、度々。

実力主義。

これは、ある意味、とても残酷です。

2、3年前に新しく入ってきた社員が、業績を認められて、店長へ昇格。

入社当時、彼の店長だった人が業績悪化の為、

一般社員に降格になっていたりします。


しかも、それが同じ支店内ではなくても、

同じ支社内で起こったりするのです。


そして、役職での上下関係は厳しいです。

年齢が上でも、役職が下なら、呼びつけです。

とても体育会系です。


私が入社した時の東京の支社長は、

フェラーリが買える位の額の税金を納めているんだ。

だから、上を目指して、がんばれ!

といった激励を受けた事がありました。


税金は、前の年の収入を元に計算されていますね。

つまり、管理職で高給取りだった人が、

業績悪化等の理由により一般社員に格下げされたりすると、

手取りのお給料がほとんど無くなったりしたそうです。

ほとんど、税金に持っていかれてしまうのですね。


こうなると、会社自体を辞めてしまう人も出てきます。

生活できないからです。


それでもがんばって、この会社に残って、

敗者復活してくる強い人たちもいました。


あの会社を辞めてから、もう既に8年。

今はどうなっているのかなぁ。


もし夫に何かがあったら、また雇ってもらえないかなぁ、

と思っている自分が、ちょっと怖いです。

今度は、店長でも目指す?(笑)


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