2006年02月21日
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喜んでいただけてうれしいです。
エッセイですが、丸谷才一の「養子の研究」(『絵具屋の女房』文藝春秋 所収)は、なぜ天皇家に姓がないかという疑問に対して、古代女系制の名残という観点から回答を与えています。それによると、明治天皇も大正天皇も養子だった(!)というのですね。どういうことかというと、このお二方とも側室からお生まれになったのですが、いづれも皇太子に定められた際に皇后の実子であるとされたのです。つまり養子です。
以下上掲書145ページから引用します。
「 なぜ后の養子になるのかといふ理由になるのかといふ理由としては、正室の子でないと格好が悪いからと考へられたさうです。しかしわたしとしては、これは一夫一妻制への遠慮ではなく、やはり女系家族制の名残りだと思ふ。帝は后の家へ婿入りしたといふのが建前なのであるから、そこで后によつて皇子が生まれず、側室による皇子を皇太子として立てるときには、后の養子になる形をとつたのでせう。
 そしてこの考え方でゆけば、よく問題になる、天皇家になぜ家名がないか、といふこともあつさりと答が出る。なぜあの家には家名がないか。そもそもそういふ家がないからです。
 天子の系図を皇統譜などといふけれど、それは、妃たちの家々(有力氏族)に婿入りした入り婿たちを観念の上で結びつけて作つた系図にすぎない。後世はともかく、本来は、天皇家といふ家が実際にあつたわけではないのです。」(引用終了)





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最終更新日  2006年02月21日 16時35分12秒
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