2008年10月29日
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三木総参謀の誤算

結論をさきにいうと 三木老としては、こういう解散は、まず ぜったいないものと考えていたようである。もし政変があるとしたら、解散ではなくて 内閣総辞職のかたちによって現れるもの、と思いこんでいたらしい。だから、鳩山さんにたいしてはもとより 同派の人々にもそのことを告げ かかる前提のもとで作戦をたて 同志をひきずっていたことは確かな事実であった。
ところが さしも慧眼なはずの三木老にも 人間であるかぎり多少の狂いがあった。すなわち、なんぞはからん突然の解散で それがため老人は鳩山派の面々から 同志をまで騙したと さんざん嫌味を言われるにいたった。なぜこの人が こういう誤算を来たしたかについては 世に知れぬ裏話がある
非合法ながら かって共産党の地下運動さかんのころ 田中清玄という屈強の闘士がおった。同くんは、徳田球一氏などよりむしろ行動的だったように思うが それが頭山満先生の指導によって転向し 戦後は緒方竹虎さんらの世話である建設事業にたずさわっておった かれとじぶんが しばしば会うようになった二十八年のころ 田中くんはどういう事情でか 駐留軍の司令部にもひんぱんに出入りしていたらしい。かれは当時 ここのそうとうな地位の人物とも かなりのつき合いがあったという。
そのかれがある日 司令部は もう吉田内閣に嫌気がさしてきたようだ。げんざいでは 鳩山さんに後がまを期待しているように思える。いずれ近く 吉田氏に辞任を勧告する気配があるくらいだから 解散なんぞはまったくあり得ないといった。
 なお日本はこれよりさき(26年9月)サンフランシスコにおいて 平和条約に調印(48国)し あくる27年4月にいたって本条約は発効したのだったが、占領気分はいまだ抜け切らぬものがあり、政府当局また、駐留軍の鼻息を絶えずうかがっていた。
司令部の内部はそうとう複雑微妙で ときとしては奇々怪々のうごきさえかんじられており、このじぶんも、それくらいのことはやるかも知れない と、一応は田中くんの話をきいたのである。しかし べつに同くんを疑うわけではないが どこまでそれが 事実となって現れるかについては 多少の疑問なきをえなかった。
それはちょうど 解散の数日前だったが 三木武吉先生にぜひ引き合わせてほしいとしきりにいうので 老人に紹介をしたわけであった。ところが三木老はえらく田中くんのこの話を信用し 解散などぜxったいないものだと思いこんでいたようすである。何となら 田中くんと会ったあと 老人は きみ 総辞職になったら こんどこそ 鳩山に天下を取らせるぞと 大へんな張りきりようだったからである。
そこでじぶんは あまり物事を鵜呑みにしてはどうかと思います。少し裏からさぐってみられてはというと 憲兵みたいに人を疑ってはいかんぞと たしなめるようにつぶやいた

司令部の勧告が ホラであったか否かはべつとして さすがの老人も、頭をかかえざるをえなかったことだけは事実である。そして田中清玄くんといえども もちろん作為によるものではなかったろうし おそらく司令部の だれかを信じてのあまりだったと 自分は想像する。
つまり ことの真相はこういうわけだが それにしても三木老人がほんとうに偉かったと思うのは この場合になお 昼寝の夢で 狐( 注 この場合は清玄)に化かされたのさと 苦笑いしただけで べつに田中くんのことを非難しようとはしなかったことだ
悪政 銃声 乱世 児玉誉士夫 

児玉の著書にはいろんな点で問題があるといわれてるので 全部 うのみにはできませんが 玄洋社ラインの協力があったらしいのはうかがえますし ここから安藤明 松前重義との関係もできたようです。28年前後に 三幸建設工業が米軍関係の工事をやっていたことも事実です。
以前のエントリーで 清玄が鳩山サンの愛人を横取りした話をあげましたが 清玄が 三浦義一のように党人派にうまくシフトできなかったのも ここで引用したように なんらかの形で 不信感を もたれており これが 児玉 河野一郎 岸との対立に拡大していったのでしょう。
 ただ 清玄が三木武吉にあったときに なんで児玉を使うのかとかと 自伝で語っていますが ここの児玉の文章をよむ限りでは とんでもない話にも思えます。本物の国士サンの ある面での真実の姿なんでしょうか?







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最終更新日  2008年10月29日 22時44分43秒
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