奇巌城の冒険 | メタボの気まぐれ

1966年に東宝で公開された「奇巌城の冒険」は
三船プロダクション制作の特撮映画である。

国際色豊かな敦煌の都で日本人の大角（三船敏郎）と
僧侶の円済（中丸忠雄）は日本に仏教を広める目的と
文化の都を奈良に造るため仏舎利を求めてシルクロードへ旅立った。

途中砂漠で得体の知れない悪霊に苦しめられながら
大角は奥地へ入っていった。

悪霊の出現に不蕃を抱いた大角は
黒盗賊に襲われ静かなオアシスの街へ迷い込んだ。

近郊の地中に埋もれた窟寺が国王（三橋達也）の圧政に
苦しめられている事を知り大角と円済は潜入するも
その間に隊の者たちは国王の命令で捕まってしまった。

隊商宿の亭主（田崎潤）と娘クレーヤ（浜美枝）から
早く逃げるよう勧められた大角であったが
正義感の強い大角は城に忍び込んで皆を助けようとした。

城の中で大角は一癖ありそうな家臣の中に
砂漠の中で出くわした黒盗賊の主領ゴルジャカ（佐藤允）を発見。

だが大角も捕われの身となり即刻火あぶりの刑を言い渡された。

しかし大角は仏舎利を日本に送るまでの手続きをするために、
十日間の余裕を訴え

王の同意を得た大角は仏舎利を手にすぐ飛び出した。
しかしゴルジャカの企みで大角は危機に遭遇してしまい
妖術使いのオババ（天本英世）に妨害工作に遭ってしまう。

この映画は太宰治：原作の「走れメロス」をベースに
西遊記とアラビアンナイトの要素を取り入れた物語となっており

そして注目するのは悪宰相の娘・スプリヤを演じた
若林映子のセクシールックスであり、
このセクシーさが海外でも大ウケしており
イギリス映画「007は二度死ぬ」に浜美枝と共に
ボンドガールに抜擢されるのです。

当初は若林が海女のキッシー鈴木役で浜美枝が
公安のアキ役の予定だったが
浜の英語力では公安エージェント役は無理と判断され
二人の役柄が交換となったというエピソードがあります。

また特技監督は三船敏郎と親交が深い円谷英二が担当し
この映画のオープンセットは特撮テレビ番組「ウルトラマン」の
第7話「バラージの青い石」にて流用されました。