血を吸う薔薇 | メタボの気まぐれ

1974年、血を吸うシリーズ第３弾として公開した
「血を吸う薔薇」は女子学校で若い娘を次々と襲う吸血鬼と
新任教師との対決を描いた東宝映画である。

八ケ岳山麓にある聖明学園に東京から若い教師の
白木（黒沢年雄）が就任。学長邸に案内された
白木は学長（岸田森）から後継者にすると告げられた。

その夜、白木は夢遊病状態のまま二人の女に会った。
一人は胸元に二つの傷跡のある女
もう一人は死んでいるはずの学長夫人（桂木美加）

翌朝、舎監室に移った白木は三人の寮生の西条久美
（望月真理子）林杏子（荒牧啓子）三田村雪子（太田美緒）と
校医の下村（田中邦衛）と知り合い
白木は下村たちから生徒の蒸発事件を知った。

その生徒と言うのは幻想の中で出会った女生徒だった。
数日後、妖怪伝説に興味を持っている下村は
白木に二百年も昔、転びバテレンの白人が
この村に現れ吸血鬼になったという伝説を話した。

一方、白薔薇で傷ついて以来、催眠術に掛った様になった
杏子は突然雪子を襲い、いつの間にか現われた
学長も白い牙を覗かせており

学長は姿を消し杏子は階段から転落死した。

下村が学長を追って林の中へ入って行くと
雪子の胸に牙をたてている黒マント姿の学長がいた。
夢中でカメラのシャッターを切る下村に
学長の姿が大きく迫って来た！

自分の顔にかぶせ、白木を林の中の底なし沼に呼び出した。

そこへ突然、吉井教授（佐々木勝彦）が白木を襲ったが
下村や多数の人たちが沈められている底なし沼に吉井を落した。

白木は夫人を追って地下室に潜入、柩の中から補われていた
久美を助け出したが、背後からは・・・

この映画は東宝の変身人間シリーズに代わり吸血鬼を
題材にしたシリーズとして人気を呼び
ホラー映画度としては「美女と液体人間」以来の
恐怖を確立させたのが本作である。

また吸血鬼を演じた桂木美加はマスコミ専門学校の走りである
東宝芸能アカデミー演技科に学び、若大将シリーズに
出演した後に特撮テレビ「帰ってきたウルトラマン」の
３代目ウルトラヒロイン・丘ユリ子隊員役で人気を集め
ウルトラマンでも共演していた岸田森とは再開する形となった。