恐怖の大仕事水戸・尾張・紀伊 | メタボの気まぐれ

人気絶好調だった「必殺仕事人」が1981年1月2日に
いよいよ必殺シリーズ初のスペシャル番組として制作されたのが
「特別編・必殺仕事人恐怖の大仕事水戸・尾張・紀伊」である。

物語はもう一つの「必殺仕事人」であり、設定は
レギュラー放送と若干異なり、音楽面でも
「必殺仕掛人」「必殺仕置人」「助け人走る」など
シリーズ初期の黄金作品のテーマを用いた豪華作品となりました。

元旦の奉行所留守居役を買って出た中村主水（藤田まこと）は
痺れ薬が仕込まれた差し入れの酒と料理で昏倒した。

千両の報酬で徳川御三家である紀伊藩・水戸藩・尾張藩の
筆頭家老と堂島の米問屋・室田屋利兵衛（岡田英次）の
暗殺という無理難題な命令を下される。

断ろうとする主水であったが断れば裏の仕事をバラすと
脅され引き受けざらるを得なくなってしまい
仲間の畷左門（伊吹吾郎）は妻子のために主水と同じく
仕事を受けるが、秀（三田村邦彦）加代（鮎川いずみ）
おしま（三島ゆり子）は主水や左門と違い守る者が
いないため仕事を拒否しチームから離れる事になる。

まず主水と左門は紀伊の桃井兵庫を狙ったが
桃井の配下による罠にはまり捕らえられてしまう。

彼は紐を巧みに用いる仕事人で桃井の罠にかかった主水を助けた。
そこで主水から仕事への誘いを受けるもはぐらかしてしまう。

一方、捕えられた左門を助けるべく秀は救出に向かうも失敗。
偶然通りかかった民謡手踊り一座の女座長・坂東京山
（京マチ子）に左門は助けられる。

室田屋利兵衛と出合い、三家老たちから多額の冥加金を要求され、
このままでは米相場に悪影響を与えても要求され続けると危惧し
自分と三家老の殺害を江戸で評価の高い仕事人に依頼したのだ。

恐怖の大仕事1.jpg

ここで主水はこの大仕事を決行するべく“幻の仕事人”である
矢島仙十郎（西郷輝彦）と接触する事に成功。
100両という大金で依頼を了承した。

しかし御三家、利兵衛が揃う会合時に仕事を決行するが
仙十郎は仕事の直前に死の恐怖から酒を飲んで泥酔し
体を壊していた。使い物にならないと思った主水は
仙十郎を残し仕事へ向かった。

だが利兵衛の計画を知った栗田と松阪は彼らに殺害される。
事態の急変により秀は急遽、爆弾でこの会合部屋を爆破、
尾張の松坂を殺した。
爆破騒ぎで事件現場の調査をしていた栗田の前に
矢島仙十郎が現れ栗田を襲撃して殺害に成功するも
その場で吐血し、主水に報酬を要求しながら絶命する。

そして一文無しで大阪に到着した主水は与市と再会、
自身の雇い主である大阪米問屋の女将・お喜和（松尾嘉代）に会う。
利兵衛亡き後、室田屋の身代を継いだ市三は桃井と内通し
桃井の後ろ盾で自らの利潤のために米相場を操作。
市三に対抗しようとするが配下に襲撃され番頭を殺される。
これがきっかけで与市に仕事の中止を頼み自害する。

お喜和の死をきっかけに与市は市三を殺害するが
直後に桃井の配下の女に殺害される。

その後、最後の標的・桃井を狙うべく紀伊に出向いた主水に
助けられた左門と合流、頼み料100両にて仕舞人・坂東京山が
主水らと協力して桃井暗殺に加わった！

この本作放映時は漫才ブームとあってニセ占い師・安雲斎に
横山やすし、結婚仲介業者・花吉に花紀京、
結婚詐欺師・八郎に岡八郎、獅子舞：西川のりお＆上方よしお
夜鷹の客に前田一球、写楽の吉本メンバーを揃えました。

当初の予定ではビートたけし、島田洋七、島田紳助の
出演であったがスケジュールのため叶わなかった。

また市三を演じた中条きよしがフランキー堺に宙吊りにされ
殺される悪役を演じたが、この殺し技を次作「新・仕事人」にて
自らの殺し技になった経緯があるが、これはフランキー堺の
推薦によるものである。

そして本作に登場した坂東京山は「必殺仕事人」の次作
「必殺仕舞人」へのスピンオフとなり
仕事人続編的な意味合いで仕舞人が完成された形となりました。