ノストラダムスの大予言 | メタボの気まぐれ

五島勉の「ノストラダムスの大予言」を自らの手で
滅亡に向いつつある人間への警鐘を打ち鳴らすものとして
1974年に東宝が「日本沈没」に続いてパニック映画の
第２弾として制作したのが「ノストラダムスの大予言」である。

大気汚染の分析に取り組んでいる環境学者の西山良玄
（丹波哲郎）は現在のまま自然破壊や大気汚染が進めば
異常気象の原因になり早魃や冷害、洪水を招き
人口増加に伴う深刻な食糧危機となると考えた。

そして地球破滅、人類滅亡の日はノストラダムスの予言通り

公害摘発の態度に対する企業からの報復、妨害も行なわれた。

良玄の娘・まり子（由美かおる）は報道カメラマンの
中川明（黒沢年男）と将来を誓い合っていたが
数日後、夢の島で合成防腐剤ＡＦ２のため
巨大化したナメクジが大発生。

一方では亜鉛鉱山周辺で特定の能力が異常に発達した子供が現れ
また奇型児出産率が30%を越え植物人間、新しいクル病の発生
西川の実家がある漁村が赤潮で全滅したこと等、
異常で奇怪な事件や現象が日本各地で起り始めていた。

世界各地ではピラミッドに吹雪が舞い
大洋が氷結して巨大客船を氷でとざしてしまい

人々を餓死線上をさまよわせていた。

そしてニューギニア奥地に起った異常現象は放射能によって
巨大化した動植物や食人鬼となった原住民がいた。

その頃、SST事故によるオゾン層の破壊で飛行中のSSTが突如爆発
北極では氷山が溶け東京には猛烈な豪雨

大洪水、異常高温と早魃によりほぼ全滅となった。

都市は完全にパニック状態となり食糧確保のため群集は
狂気のように食糧倉庫やスーパーマーケットを襲った。

そしてそれらの狂乱の下界の状況に呼応するかの如く、
太陽が濃いスモッグに蔽われて青緑色に変り街全体が変色してきた。

やがて津波、地震、火山爆発など世界各地で起りつつある現象は
全てが一つの方向を示していた

人類滅亡・・・

この映画は後テレビ朝日系の日曜昼の「ホリデースペシャル」で
テレビ放送され、1986年・春には食人シーンと軟体人間の
２ヶ所のカットを行ったビデオとＬＤの発売予告がなされたものの
東宝社内の要請により中止となる。

1998年8月に「獣人雪男」と同じく劇中の音声を録音した
ドラマＣＤが東宝の協力を得たとするグリフォンより発売され
翌年には「株式会社セプト」というメーカーから再発売された。

また発売後には完全ノーカット版の海賊版ビデオが出回り
グリフォンとの関係が指摘されているが詳細が不明な事もあって
はっきりした事は分からない。

このドラマＣＤ発売・海賊版ビデオ流出以前には
本作を出版物で扱う事は特に問題が無かった様だが
これ以後には出版物での扱いも出来なくなり
増刷時に本作の紹介がカットされた書籍もあるのです。