白蛇小町 | メタボの気まぐれ

B96、W55、H92という大映のグラマラス女優
毛利郁子が主演を務めた1958年公開の映画
「白蛇小町」は、毛利が妖艶かつ猟奇という
抜群の存在感を発揮した映画である。

安藤家では主の左門（志摩靖彦）妻・おすが（朝雲照代）
そして新郎の新之助（和泉千太郎）が
花嫁の到着を今や遅しと待っていた。

だが、到着した駕篭の中には花嫁の姿は見当らず
中から一匹の白蛇がヌラリと這出し

　やがてお已年と恋愛関係となった左門に
　さる大身の姫との縁談が起った。

　乗気になった両親は左門の留守中にお已年と
　仲間の勘助（原聖四郎）を不義者に仕立て暇を出してしまい
　発狂したお已年は花嫁衣裳に着飾って
　わが家に火を放ち、顔半面に大火傷を受けて生涯を終えた。

　祝言の夜、花嫁姿の妖しい影が現われ
　「お已年の呪いは、安藤家の血統が続くかぎり
　消えることはないだろう」といって
　左門を土蔵に招いた。

　首をくくってぶら下る花嫁の影が動いたと思うと
　白蛇が落下、どこともなく消えた」

一方、両国の見世物街に蛇使いのお紺（毛利郁子）と
おすがの弟にあたる座長・矢島大助（千葉敏郎）は
安藤家を勘当になっている次男・源次郎（梅若正二）に
妖しい花嫁に会ったという話をした。

常念寺に出向いた源次郎だったが、そこにはお已年の墓があり
森の中に花嫁の死体が横たわっていた。

源次郎は安藤家の因縁話を利用したものの仕業と見抜き
陰謀を悟られた大助たちは
源次郎に眠り薬を与えて抹殺を図った。

そして大助は安藤家の養子に入りこみ
お紺の妹分・お菊（中村玉緒）を迎える準備を進めた。

この映画は撮影所にペットとして持ち込むほどの
ヘビ好きとして知られる毛利郁子が時代劇女優に転向した
最初の作品となり、以後「座頭市シリーズ」
「眠狂四郎シリーズ」など、100本近い作品に出演した。

しかし毛利郁子は1969年に事件を起こしてしまい引退。